サイト案内 > このサイトの見方・使い方 > 1 / 2 / 3
訳文を読まれる前に
「ホツマツタヱ」は特殊な文字で、句読点もなく、主語が省かれたり文法が一定していなかったりします。また訳す上で、便宜的に私なりの決まりを作ってあります。以下の項目をご一読の上、ご承知ください。
- ホツマ文字の特徴
- ホツマ文字は、ひらがな・カタカナと同じ表音文字ですが、母音を表す
「
」
などと、子音を表す
「
」
などを組み合わせたような形をした、見慣れない独特の文字です。ところが同じ表音文字でも、ひらがな・カタカナと大きく違うのは、同じ「ヲ」を表す文字でも
「 」だけでなく
「
」
のように何種類もある文字もあり、例えば「蚕」を表す「コ」は
「 」の字を使うとか、特定の意味を表すことがあるのです。また、数を表すときは「数詞」ではなく、「23」は
「 」と書き、ハネを付けて数詞であることを表わすなど独特の工夫がされています。
- ホツマツタヱの文法
- ホツマツタヱは現代仮名遣いと違っていたり、同じことに違う文字が使ってあったりします。例えば「お」と「を」は現代の使い方と逆で、助詞の「を」は「お」と書かれています。訳文では現代の文法通り「を」としたり、濁点が省略されているものについては、筆者の判断で付けたりして訳しました。
文法は古文の文法に準じましたが、場合によっては文法通りでないこともあります。
地の文は常体で表しますが、会話文は、敬体で表します。ただし、アマテルカミのように上の立場から話している場合は常体とします。
- アマテルカミについて
- 記紀をはじめとして、日本の古代史はアマテルカミを女神としており、神社の御祭神として「天照大御神」などと書かれ、女神の絵姿も多数ありますが、ホツマツタヱでは13人の后妃を持つ人間の男性として書かれています。系譜もきちんとつながっており、玄孫(ヤシャゴ)の代まで生き(筆者の計算では92歳)、民の幸せを願い続けた気高い君として描かれています。
- 尊称について
- ホツマツタヱには、「カミ」が多数登場しますが、本稿では次のように書き分けます。
- 人間が創り出した概念としての、天地創造のアメミヲヤや自然現象のシナトベ(風)、ワカムスビ(稲と蚕などの神)のような人知を超えた現象を表した「カミ」は造化神とし「神」と表記する。
- クニトコタチ以降は人間であると考え、基本的には「尊」「命」などとし、「〇〇ノミコト」と読む。
- イサナギ・イサナミのように「フタカミ」と書かれている場合は「二尊(フタミコト)」とする。
- アマテルは、文中「カミ、ヲンカミ、ヲヲンカミ、アマカミ」などと最大の敬意をこめて書かれ、人々の上(かみ)に立つ特別な存在としての意味も込めて「カミ」とする。
- いわゆる天皇の立場の人物でも、漢風諡号の「神武天皇」等とはせず「カンヤマトイハワレヒコ」とか「君」「キミ」「スメラミコト」などとする。
- その他の臣下と思われるカミは「臣」と表記する。
- 女性は原則として「姫」とする。
- 皇后の立場の姫は「后」、その他は「妃」とする。
- 「キミ」の系統の「ミコ」は「皇子」、そのほかは「御子」とする。
- 本文中、地の文に尊称がない場合は訳も尊称を省略するが、会話文の中では状況に応じて尊称を加えることもある。
- 人名、地名等の表記について
- なるべくわかりやすいように心がけますが、記紀以前のものなので、記紀にある人名等の漢字表記を使うことは避けました。
- 人名は記紀の表記にとらわれず原則カタカナ表記とする。
- 妃の「スケ、ウチメ、シモメ」などは平安貴族の漢字はあてずにカタカナ表記とした。
- 大物主、物部など、現代でも通じる役職名は漢字表記するが「マスヒト」のように現代に伝わっていないものはカタカナ表記とする。
- 地名は現在も広く知られているものは漢字で表記するが、はっきりしないと判断したものはカタカナ表記とする。
- その他、現代に残っていない事物はカタカナ表記とする。
- 富士山の呼び名は「ハラミ山、大日山、日の山、香久山、藤の山」などといろいろあるが、その時々の原文の書き方に従う。
- 全行対訳について
- 原則として各行ごとに訳しましたが、語順の関係で2~3行言葉が前後することもあります。また、主語や述語などが省略されていたり、補足的に付け加えた方が読み取りやすいと考えたりした場合など、一部原文にない言葉を加えてあります。
- 解釈ノートについて
- 注とか解説とかいうホドのものではなく、これまで公表されている訳とかなり違うところも多く、私が何を考え、何を根拠にそのような訳をしたかということをメモしたものとご理解ください。ときに断定的な書き方をしていますが、基本的には「~と私は考える。~と解釈する。」ということです。勘違いや独断もあるかと思います。ご指摘いただければ検討して書き直していきます。
- 「綾」について
- 1綾、2綾・・・という分け方をしましたが、原文には「何々のアヤ」とあるだけです。(写本によって書き方が多少違います) もともとホツマツタヱという書物を織物のような表現をしていることもあり、織物の模様を表す「綾」の字を当てて、それぞれのまとまりの中での「綾なす話」という意味を込めて「綾」としました。