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12アキツヒメアマガツノアヤ
アキツ姫とアマガツの綾
【アマガツ】 大辞林には「古代、祓に際して幼児のかたわらに置き、形代として凶事を移し負わせた人形。後世は練り絹で縫い綿を入れて、幼児の這うような形に作り、幼児の枕元に置いてお守りとした這子(ほうこ)をいうようになった」とある。「アマガツ(天児)」は資料によれば立ち雛のように立っており、「這子」はいわゆる「はいはい人形」の形になっている。ホツマツタヱでは、アマテルカミが「這う子」に「アマガツ」という名を付けたので、「アマガツ」と「這う子」はもともと同じものだったのであろうか。
サッサツノ コヱトイモセノ
「サッサツ」という掛け声を婚礼の
【サッサツノコヱ】 ホツマ文字の「サッサ」の「ツ」は促音を表す文字。和仁估本では「サ」と「ッ」の間に「‐」(ハイフン)が入っているが、ここでは省略した。この後の本文033にあるように「サッサッ」という掛け声または囃し言葉と考えられる。広辞苑に「さっさつ(颯颯)」の見出しで、「あっさりとしたさま。さらりとしたさま。」、「風の音。また風の吹くさま。」とあり、また大辞林には「人の態度が爽やかで勇ましいさま」とある。推測の域を出ないが、これらを総合して考えると、サッサツヅウタの囃し言葉の「サッサツ」が語源になったのではないだろうか。ちなみに大言海では、「サッサツ」が颯爽に変わったとなっている。 
ササイハフ ソノモトオリハ
祝い酒の時に掛けるその始まりは
【モトオリ】 辞書的には「まわること。めぐること。まわり。へり」などとなっているが、文脈に沿って「始まり」と意訳した。
12-003 アマガツオ ハヤアキツメノ
アマガツをハヤアキツ姫が
12-004 ツクリソメ アマテルミコノ
始めて作ったことによる。アマテルカミの皇子の
12-005 ヲシホミミ アマツヒツギハ
ヲシホミミが君の位を
タカノカフ タクハタヒメノ
タカノカフ(コフ)で受け継ぎ、タクハタチチ姫を
【タカノカフ】 ヒタカミ。
ミウチイリ ソノサキコシノ
后に迎えた。后が宮に入る輿の前に
【サキコシ】 多くの訳では、「先越し」または「先輿」として、ハヤアキツ姫の嫁入りに先立って嫁ぎ先に行くこと、となっている。私は広辞苑の「輿の前方を担ぐこと。また、その人」とあるのを手掛かりに、ハタレ退治のとき袂下に幼子を連れてハタレ退治をしたというアマテルカミの故事にならい、后の魔よけとしてアマガツを輿の前方に据えたと考えた。
12-008 アマガツオ シホカマノカミ
アマガツを据えることをシホガマは
12-009 マダシラデ カスガノカミニ
まだ知らなかったので、カスガマロに
12-010 ユエオトフ カスガコタエテ
そのようにするわけを訊いた。カスガマロが答えた。
12-011 コレムカシ アマノマスヒト
「これは、かつて、シラヒト、コクミらマスヒトが
12-012 ソムクユエ ムハタレヨモニ
反抗したことがきっかけで、六つのハタレがあちこちに
12-013 ワキミチテ タミクルシムル
あふれかえり、民を苦しめました。
12-014 ソノトキニ アマテルカミノ
その時に、アマテルカミの
12-015 ノリオヱテ モロカミノウツ
詔を受けて諸臣が討ちに行きました。
12-016 ハタレナカ カンツハルナガ
ハタレのハルナの首領が
12-017 ハカラント カンイキヨメハ
計略にかけようとして、アマテルカミの気配を探ろうとしました。
12-018 ヲヲンカミ コレシロシメシ
アマテルカミはそれに気づかれ、
12-019 ミツノチゴ テグルマノウチ
三歳の子どもをご自分の輦の中で
12-020 タモトシタ オキテタツイキ
袂の下に座らせました。子どもの気配が
12-021 マシルユエ ハタレウタガヒ
混じっているので、ハタレは不審に思い
12-022 カゾエセズ ワサモミタレハ
アマテルカミの気配が読み取れず、計略が狂ってしまいました。
12-023 ヲヲンカミ アメツチシロス
アマテルカミは天下を治めておられる
12-024 クシヒルニ サトクハタレガ
威力によって、素早くハタレの
12-025 イキハカリ ミウタツクレハ
気配を察知され、御歌を作って、
ソメフダオ サッサモチヰニ
短冊に書き、サッサ餅に
【サッサモチヰ】 「モチヰ」は餅のひとつ。粽(ちまき)のようなものとの説もあるがはっきりしない。「サッサモチヰ」は「サツサツヅウタ」を付けた餅と考える。
12-027 ツケナグル サッサツツウタ
付けて投げ込まれました。そのとき書かれたサッサツヅ歌
12-028 サスラデモ ハタレモハナゲ
『サスラはもとよりハタレらも、拠って立つ地を自ら捨てて
ミツタラス カカンナスガモ
アメ・ツチ・ヒトの三つに欠けあり。篝火焚いて祈るとも
【ミツタラス】 8綾本文030でアマテルカミが「ハタレトハ アメニモオラズ カミナラズ」(天上にいる者でもなく、吾等の仲間でもない)と言っている。その上、土地も捨てたので、三つ足りないということ。
12-030 テダテツキ カレノンテンモ
手立ては尽きているゆえに、祝詞も太鼓も
12-031 アニキカズ ヒツキトワレハ
天には届かぬ。日・月と吾は
12-032 アワモテラスサ      
この世を照らすさ』
12-033 サッサツト モロガウタエハ
サッサツとみなが囃すのを
12-034 キクハタレ ワサモミダレテ
聞いたハタレのハルナは、混乱して
12-035 シバラルル カレコノウタオ
ついに捕まりました。故にそれからこの歌を
12-036 サッサツノ コヱトタノシム
サッサツの囃し歌として楽しむようになったのです。
12-037 カノチコオ アメニオクレハ
その時の子どもをアマテルカミの元に連れていくと
12-038 カミノマエ ヱタソロハネハ
まだ幼かったので、アマテルカミの前から
12-039 サラントス アメノミヲヤハ
這って去ろうとしました。アマテルカミは
12-040 コレオホメ ナンヂハフコノ
その子を褒めて、『汝、這う子の
12-041 イサオシハ モロニスキタリ
功績は諸臣よりも勝っていた。
12-042 キミマモレ カミアマガツト
これからもずっと代々の君を守れよ』と言われて『神アマガツ』と
12-043 ナオタマフ コノモトオリニ
名を授けられました。その話を元にして、
12-044 アキツヒメ ヌノモテツクル
アキツ姫は、布で作った
アマガツハ カミウタコメテ
アマガツの中に『神歌』を入れて
【カミウタ】 この後にある、アキツ姫が作った神アマガツに願いを込めた歌。
12-046 チチヒメニ タマエハコレオ
チチ姫に差し上げました。これが
12-047 サキカケノ サワリオノソク
輿の先に据える、災いを除く
12-048 アマガツゾ モシモネタミノ
「アマガツ」となりました。もしも、人の妬みで
12-049 カムトキモ アマガツハヘリ
身に災いが降りかかった時も、アマガツがそばにいると
12-050 マヌカルル モシモウラミノ
災いを免れることができます。もしも、恨みが
12-051 ナヤマスモ アマガツハベリ
人を悩ますことがあっても、アマガツがそばにいると
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