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タケヒト、ヤマト討ちの綾
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カンヤマトイハワレヒコの
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皇はミヲヤ天君（ウガヤフキアワセズ）の
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第四子である。母はタマヨリ姫。
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兄宮のイツセは多賀の
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御君である。ミヲヤ天君が
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筑紫をまとめて十年治め、
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亡くなる時に天君の印を
【アマキミノニオ】
「ニ」は「瓊」の字があてられると思うが、これが11綾本文065でアマテルカミがヲシホミミに授けた「ヤサカニノマガリタマ」(八坂瓊の勾玉)と同じような「赤い玉」で、それは君の位につく印だったのだろうか。
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タケヒトに授けて、アヒラの
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神となった。タケヒトは宮崎で
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タネコ達と政を執ったので
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筑紫は平穏であったが、香久山の臣の
【カクヤマノトミ】
香久山はニギハヤヒの宮。
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ナガスネヒコが思うままにふるまったので
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ヤマトは乱れた。ハラの御君タケテルは
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食糧を止めた。するとナガスネヒコは
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船の行き来を妨害した。そこで大物主は
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ナガスネヒコを討とうとした。多賀の御君イツセは
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驚いて筑紫に下り
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タケヒトと共に政を執ったので、大物主は一人で
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多賀の民を治めた。ところで、タケヒトが
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アビラ姫を娶って、生まれた皇子は
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タギシミミである。タケヒトが四十五歳になった時
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話した。「昔の祖先の
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タカミムスビ尊が日高見を拓いてから
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百億万穂過ぎ、アマヒノ
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ヲヲンカミ（アマテルカミ）はアメナル道によって
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民を治めた。皇子のオシヒト尊（オシホミミ）は
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御位を譲り受け、皇孫のキヨヒト尊（ニニキネ）が
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また御位を譲り受け、ワケイカツチの
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天君と言われた。大きな岩を
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動かし、険しい道を拓いたので
【イツノチワキ】
「イツ」は厳しい、険しい。「チ」は土地。「ワキ」は分ける。開発する。ニニキネが困難を乗り越えて水田開発をしたこと。
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世の中は豊かになって治まった。ホオデミ尊が後をついて
【ミヲヤニツカフ ミチアキテ】
「ミヲヤ」は「ミヲヤニツカフアマキミ」でホオデミのこと。「ミチアキテ」は道を開く。すなわち、親のニニキネより引きついで水田開発をしたこと。
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道を拓いてから、明るく治まった
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年が長く続いた。百七十九万
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二千四百七十穂過ぎるまでも
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至る所に、国を栄えさせた
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優れた君がいたので、村々も乱れることなく
【キミアリテ】
「キミ」はアスカヲキミ、ハラノヲキミ、ニギハヤヒ、ウガヤフキアワセズなどの為政者のこと。
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天下の道理が行き渡った」ところが世の中に流行ってきた歌があった。
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「則を下しに来てください、ホツマの道の。
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則を広めに、天君も磐船に乗って。」
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シホツチの翁が、タケヒトに大和の国へ行くようにと勧めて
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「ニギハヤヒ君がいけないのです。タケヒト君が行って
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騒ぎを鎮めなければならないでしょう」と言うと、兄皇子達はまったく
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その通りだと同意し「以前の世嗣文の件の
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始末をつけなくてはならないだろうから、君は速やかに
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御幸した方がいいでしょう」と言った。アスス暦キミヱ、
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十月三日、タケヒト自ら
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一同を率いて出立した。一行の乗った船が
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速吸瀬戸に差し掛かった時、海人の小舟が近づいてきた。
【ハヤスヒト】
現在は「速吸瀬戸」とよばれている、愛媛県佐田岬半島と大分県佐賀関半島の間の海峡。豊予海峡。
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アヒワケが、誰かと聞くと「国守の
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ウツヒコです。海に釣り船を出してお待ちしていて、
【ワダノツリニテ キクミフネ】
タケヒト一行が来ることを知っていて水先案内をしたのだろう。ではなぜ来ることが分かっていたのか。私は、各地の海岸沿い、特に瀬戸内海に多い高地性集落が、海を航行する貴人の動向を狼煙などで先に知らせる通信基地の働きをしていたのではないかと考える。
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君の御船が来られると聞いたので、御船をお迎えに来たのです」
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「案内してくれるか」と言うと、「ハイ」と答えたので