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04-000 4ヒノカミノミヅミナノアヤ
日の神(アマテルカミ)の御名前の綾
04-001 モロカミノ カミハカリナス
諸臣が会議を開いた
タカマニテ オオモノヌシガ
宮中で、オオモノヌシが
【オオモノヌシ】 ここは初代大物主、オホナムチ、諱クシキネ。ソサノヲの御子。大物主は6代あり、2代以降は、クシヒコ、ミホヒコ、カンタチ、フキネ、ワニヒコ。ワニヒコはフキネの従弟。
ヒノカミノ ヰミナノアヤオ
日の神の諱の謂われについて
【ヰミナ】 諱。身分の高い人の実名。生存中は呼ぶことをはばかった。死後に贈る称号(諡(オクリナ))ではない。
モロニトフ オオヤマスミノ
皆に聞くと、オオヤマスミが
【オオヤマスミ】 アマテルカミの妻のムカツ姫の兄弟で、アマテルカミの重臣。
コタエニハ ミヲヤノシルス
答えた。「私の親の記した
【ミヲヤノシルス ウタニアリ】 ミヲヤはオオヤマスミのミヲヤ、即ち父親。この父親の父、すなわち祖父が「ムベナルヤ・・・」と謡った「ウオヤヲキナ」と考える。
04-006 ウタニアリ モロカミコエバ
ウタにあります」。諸臣がその話を聞きたいと頼んだので
04-007 ヤマスミガ ツツシミイワク
オオヤマスミが謹んで話をした。
04-008 ムカシコノ クニトコタチノ
「昔、クニトコタチ尊に
04-009 ヤクタリコ キクサオツトノ
八人の御子がいました。そのうちの一人が木や草の種を携えて
04-010 ホツマクニ ヒガシハルカニ
ホツマの国へ行きました。その遥か東、
04-011 ナミタカク タチノホルヒノ
荒波が立つ海の、日が昇る彼方の
ヒタカミヤ タカミムスビト
ヒタカミにも行き、タカミムスビとして
【タカミムスビト クニスベテ】 普通に読むと、「ホツマの国君とタカミムスビが一緒にヒタカミを統べた」と読めるが、八御子はそれぞれ別の地へ行ったことになっているので、「一緒に統べる」ことはないと私は考える。
クニスベテ トコヨノハナオ
国をまとめました。タカミムスビは常世の花を
【トコヨノハナ】 香具の木、橘。
04-014 ハラミヤマ カグヤマトナス
ハラミ山に植えて、香久山と呼び、
04-015 ヰモツギノ マサカキモウヱ
五百本を植え継ぐ真榊も植えました。
04-016 ヨヨウケテ ヲサムヰツヨノ
代々の真榊を受け継いで治める五代目の
04-017 ミムスビノ ヰミナタマキネ
タカミムスビ、諱タマキネ尊は
モトアケオ ウツスタカマニ
天上のタカマにいる神を地上のタカマに移しました。
【モトアケ】 天地を開いた49神をいう。詳しくは04-047参照。
04-019 アメミヲヤ モトモトアナレ
そこにアメミヲヤの神、トホカミヱヒタメの神、アイフヘモヲスシの神と
ミソフカミ マツレバタミノ
三十二神の神々を祭ったので、民はタマキネ尊を
【マツレバタミノ トヨケカミ】 「トヨケ」は「トヨウケ」の短縮で「トヨ」は「豊か」、「ウ」は「大きい」、「ケ」は食糧。人々はタマキネが神々を祭ったことで作物が豊かに実ったと考えたのであろう。
04-021 トヨケカミ ヒガシノキミト
トヨケカミと崇めました。トヨケ尊は東の君として
ミチウケテ オオナメコトモ
その教えを受け継ぎ、大嘗事も受け継ぎました。
【ミチウケテ】 「ミチ」は本文028の「アメノミチ」と同じ。天下の道理。ここでは君として身に付けるべき教え。帝王学。本文176では、アメミコ(アマテルカミ)がトヨケから「アメノミチ」を学んでいる。
04-023 マサカキノ ムヨロニツキテ
真榊の木は六万年で枯れ、
ウヱツギハ フソヒノスズノ
植え継いだ真榊は二十一本目で、
【スズ】 真榊の1本6万年を1スズという。実際には数年で真榊が枯れても、それで6万年としたと考える。この年数は実際の年数とは考えられない。
04-025 トシスデニ モフソヨロナチ
年は既に百二十万七千
04-026 ヰモソフニ カンガミレドモ
五百二十年になりました。考えてみれば
カンマコノ チヰモウシアル
アメミヲヤの子孫には、人の上に立つ者も大勢いますが
【カンマコ】 オオヤマスミの話の中では、人間の祖先を創造神のアメミヲヤと考えていた。
ソノナカニ アメノミチヱテ
その中に天下を治める道理の教えを受けて
【アメノミチ】 ここでは君として身に付けるべき教え。帝王学。ミハシラノミチと同義。
04-029 ヒトグサノ ナゲキオヤワス
民の嘆きを和らげることのできる
カミアラズ アラネバミチモ
人はなかなか現れません。そういう人がいなければ世の則(ノリ)も
【ミチモ ツキンカト】 このすぐ後に「ヨロマスタミモ ウグメキテ ミチナラエヌモ コトワリト」とあるのでここの「ミチ」は「アメノミチ」ではなく、「ヒトノミチ」すなわち「則」と考える。
04-031 ツキンカト ナゲクトヨケノ
尽きてしまうだろうと嘆き、トヨケ尊は
04-032 ハラミヤマ ノホリテミレド
ハラミ山に登ってみたけれど
04-033 ヤシマナル ヨロマスタミモ
国中のたくさんの民は
04-034 ウグメキテ ミチナラエヌモ
うごめくばかりで、則を習えないのも
04-035 コトワリト ヤハリナゲキテ
道理だと、つくづく嘆いて
04-036 ヒタカミノ ミヤニカエレバ
ヒタカミの宮に帰りました。
04-037 イサナミノ チチニモフシテ
イサナミ尊が父のトヨケ尊に
04-038 ヨツギコモ ガナトオホセバ
世継ぎの御子も欲しいという思いを話されました。
ウラナヒテ ツキカツラギノ
トヨケ尊は占って、ツキカツラキの
【ツキカツラギノ イトリヤマ】 奈良県の葛城山の中腹に祈取山(イトリヤマ)という所があるが、ヒタカミとは離れすぎているので、確かな場所はわからない。
04-040 イトリヤマ ヨツギヤシロノ
イトリ山に世継ぎ社を建てました。
04-041 イロシテハ アメノミヲヤニ
色垂を立てて、アメミヲヤに
04-042 イノラント トヨケミツカラ
祈ろうと、トヨケ尊自ら
ミソギシテ ヤチクラチキリ
禊ぎをして、八千回の契りを
【ヤチクラ】 クラは座。8千回座して祈った。
04-044 ヌキンツル イツチカミノリ
やり遂げました。厳粛な神への祈りが