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22オキツヒコヒミツノハライ
オキツヒコの火・水・土の祓い
【オキツヒコ】 13綾本文073以降に出てくる。煮捨竈といわれたが、後に「夫婦和合の教え」を説き、カマドカミという称号を受けた。
【ヒミツ】 和仁估本の漢訳には「秘蜜」とあるが、「ヒ」は火、「ミ」は「ミツ」で水、「ツ」は「ツチ」で土。神々としては本文033以降や087以降に「カグツチの神、ミツハメの神、ハニヤスの神」などと出てきて、火と水と土は人の生活と直結しており、人の生活を助けるとともに脅かすものだったのだろう。
ミカマトノ カミノヒミツノ
御竈の神の「ヒ(火)・ミ(水)・ツ(土)」の
【ミカマトノカミ】 現代でも竈は単に煮炊きするところだけではなく、その家の生活そのものや身代を意味する言葉として残っている。竈の土と、煮炊きの火と水を合わせて「御竈の神」とされたのであろうか。
ミツノネハ ニハリノミヤノ
三つの祓いは、新治の宮に
【ミツノネ】 「ネ」は音や響きを表す語と考え、「祓い」とした。
22-003 ミワタマシ アメノミマコノ
遷宮された時の天の御孫ニニキネの
22-004 ミコトノリ モリオタマハル
詔により御竈の守を賜った
オキツヒコ カシキノユフノ
オキツヒコが、赤白黄の木綿の
【カシキ】 「カ」は赤、「シ」は白、「キ」は黄色。私はもう一つの解釈として「カシキ」を「炊く(カシク)」の連用形から名詞形になったものとして炊事をすること、飯を炊く人や所をいい、炊殿(カシキドノ)(炊殿は神社で神饌を炊ぐところ)とも考えるが、33綾本文131に「カミノツケ カシキホコタテ カミマツレ」とあり、炊殿とするには整合性を欠くので、「赤白黄」とする。
22-006 ミテグラニ ヤモヨロカミノ
幣を持ち、多くの臣達を
22-007 カンツドエ タカマノハラノ
集めて行った。「タカマノハラの
22-008 カンツカサ アマテラシマス
神司であられるアマテラス
22-009 ヲヲンカミ ホギタテマツル
ヲオンカミが御竈の神を寿ぎ奉った
22-010 ノトナカニ ミカマノホギノ
祝詞の御言葉は『御竈を寿ぎ奉る
22-011 ソノカミハ アメツチヒラケ
その神は、天地の開けた
22-012 ソムトキニ クニトコタチノ
時に、クニトコタチが
カンハラミ ヲフヒノミナノ
神孕みされ、日々の呼び名の元となる
【カンハラミ】 神が孕むのではなく、理念の中に生み出されること。21綾本文111以降に同様のことが書かれている。そこでは現実のものとして意訳をしたが、ここは祝詞の中の言葉としてそのまま使った。
【ヲフヒノミナ】 「ヲフ」は名として持つこと。「ヒノミナ」は「キアヱ、キアト、ツミヱ…」などヱトの60の呼び名。このとき暦はすでにあったようだが、この時代に過去のことについて述べる時、いつからとはっきりしないものは、「アメツチノヒラケシトキ」とか「クニトコタチノ」とかと表現していたのではないか。
22-014 キツヲサネ ヰクラノカミノ
キツヲサネのヰクラの神が
ナリイテテ ナナヨノウチノ
現れた。七代までは
【ナナヨノウチノ アマツコト】 「ナナヨ」はクニトコタチからイサナギ・イサナミまでの七代。アマテルカミまでのすべての君は、天の神・地の神にかかわる行事で人々の「御竈」すなわち生活を守るよう祈ったのであろう。
22-016 アマツコト マツルトホカミ
天の神の祭りで、トホカミ
ヱヒタメノ ヤモトノカミノ
ヱヒタメの八元の神に
【ヤモトノカミ】 トホカミヱヒタメの神。このうちのヱとトの神が暦にかかわっており、暦を「ヱト」ともいう。
マツラセキ クニツマツリハ
御竈を守らせ、また地の神の祭りでは
【クニツマツリ】 地の神の祭り。
キツヲサネ ムロソヒカミノ
キツヲサネとアミヤシナウの室神十一神に
【キツヲサネ ムロソヒカミ】 21綾本文022以降に室屋の神々が書かれている。「キツヲサネ」5神と「アミヤシナウ」6神の11神でムロソヒカミ(室神11神)となるのであるから、「アミヤシナウ」が省略されていると考える。ところが、ホツマツタヱの中には「アミヤシナウ」という神の名は一度も出てこない。わずか本文028に「アミヤシナウテ」ということばがあるだけである。6神を「アミヤシナウ」とした根拠は、ミカサフミのタカマナルアヤに「ノチソヒノキミ キツヲサネ アミヤシナウモ アニカエリ」とあることによる。このアマテルカミの祝詞は天地の神に人々の生活を守ってもらうという気持ちが表れている。ついでながらこの後に「コノカミハ ハラワタイノチ ミケオモル ウマシアシガイヒコヂカミ」とあり、「ソヒ神」はマルチな神なのである。
22-020 マモラセキ コノユエヒヒノ
御竈を守らせた。故にこの神々を日々の
22-021 ミカマトノ ヱトモリカミト
御竈のヱト守神と
22-022 タタエマスナリ      
讃え申すなり』であります。
22-023 ヒサカタノ アマテルカミノ
久方のアマテルカミが
ハツミヨニ ヒヨミノトリノ
誕生された年に暦が
【ハツミヨ】 アマテルカミは誕生してすぐに即位しているので、生誕の年でもある。
【ヒヨミノトリノ カオツグル】 「ヒヨミノトリ」は暦。「カオツグル」は、「太陽が昇った、光を放った」ということから新しく使われるようになったということと解釈した。陽光とともにアマテルカミが誕生したことと重ねて表しているとも考えられる。
カオツグル キツオカナネノ
使われるようになりました。暦はキツヲサネを糸筋の元として
【キツオカナネノ…アミヤシナウテ】 ここはキアヱ暦の構成の仕方の説明。「キツ」は「キツヲサネ」。「カナ」は糸筋。「ネ」は元。「キ・ツ・ヲ・サ・ネ」のそれぞれから「ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウ」のそれぞれに結ぶ。この「キツヲサネ」と「アミヤシナウ」を合わせて「トシノリ神」となる。次に「ア・ミ・ヤ・シ・ナ・ウ」のそれぞれから「ヱ・ト」に結ぶ。その組み合わせはキアヱ、キアト、ツミヱ、ツミト、ヲヤヱ、ヲヤト…と60通りになる。しかしながら「アミヤシナウ」という言葉の意味が今ひとつ解らない。
22-026 トツギシテ トシノリカミノ
「アミヤシナウ」と結び合わせ、それはトシノリ神と
22-027 アレマセル ソノソヒカミオ
なりました。そのトシノリ十一神を
22-028 ヱトモリト アミヤシナウテ
ヱトとそれぞれ結んで編み合わせ、六十組のヱト守神とし、
ヤミコナル アメフタカミノ
八御子に守らせました。二尊は
【ヤミコ】 2綾本文016に出てくる「ヤミコ」はトホカミヱヒタメ。ここでの「ヤミコ」は以下に出てくるヤマサカミのこと。
22-030 ミコトノリ コレニタマハル
それぞれに名前をつけました。
22-031 ヒヱノナハ ウツロヰノカミ
一番目の名はウツロイの神
22-032 ツギノナハ シナトベノカミ
次の名はシナトベの神
22-033 ミツノナハ カグツチノカミ
三番目の名はカグツチの神
22-034 ヨツノナハ ミツハメノカミ
四番目の名はミツハメの神
22-035 ヰツノナハ ハニヤスノカミ
五番目の名はハニヤスの神
22-036 ムツノナハ ソロヲヲトシノ
六番目の名は、稲の豊穣を
22-037 チカラモル ヲヲトシカミト
守るヲヲトシ神と
22-038 タタエマス ナナナハミナノ
讃えたものです。七番目の名は水の
22-039 モトシゲル スベヤマズミノ
源が豊かに茂るスベヤマズミの
22-040 カミトナル ヤオトノカミハ
神で、八番目の末の神は
22-041 ホノシヅメ タツナミオサム
「火の鎮め」と津波を鎮める
22-042 タツタヒメ オノオノミナオ
タツタ姫です。各々が名前を
22-043 タマハリテ コヨミオマモル
賜って、暦を守る
22-044 ヤマサカミナリ      
ヤマサカミとなりました。
22-045 コノカミノ ツネニメグリテ
この神が常に巡って
22-046 マモルユエ ヒミツノワザノ
守るので、火・水・土に係る
22-047 サワリナシ サワリナケレバ
災いはありません。災いがなければ