先頭の番号が青い行は、クリックすると解釈ノートが見られます。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
02-095 チタルマデ ノリモトホレバ
チタルまで治め、法も行き渡った。
ウムミコノ イミナタカヒト
アワナギ命の産んだ御子は、諱をタカヒト
【タカヒトカミロギ】 イサナギ。6代オモダルに世継ぎがなく、4代目のウビチニの4代孫のタカヒトが7代目となった。
02-097 カミロギヤ タカミムスビノ
男御子である。タカミムスビの
02-098 ヰツヨカミ イミナタマキネ
五代目、諱タマキネ、
トヨウケノ ヒメノイサコト
トヨケ尊の娘のイサコ姫とタカヒトとの
【イサコ】 イサナミ。
02-100 ウキハシオ ハヤタマノヲガ
間に入ってハヤタマノヲ命が
02-101 ワタシテモ トケヌオモムキ
仲人をしようとしたが、イサコ姫はその気になれない様子だった。
トキムスブ コトサカノヲゾ
それを説得して二人を結んだのでコトサカノヲ命と呼ばれた。
【コトサカノヲゾ】 わたしはハヤタマノヲとコトサカノヲを同一人物ではないかと疑っている。新宮市にある阿須賀神社等には「事解男命(コトサカオノミコト)」と「熊野速玉大神」の二神が祭られ、二つの神は関係があると考えられる。ところが、同じ新宮市の熊野速玉大社には主祭神として「熊野夫須美大神(イサナミ尊)」と「熊野速玉大神」が祭られ「コトサカノヲ」が祭られていない。説得に失敗した「ハヤタマノヲ」が祭られていて、イサナミのために力を尽くした「コトサカノヲ」が祭られていないのはおかしな話で、元々同一人物である「ハヤタマノヲ」と「コトサカノヲ」は、元々の名前の「ハヤタマノヲ」にまとめられたのではないかと考える。そのことから同一人物ではないかと考えた。 
02-103 ケタツボノ ツサノツクバノ
日高見のケタツボの西南にある筑波の
イサミヤニ ウナヅキアミテ
イサ宮で二人は夫婦になることを確かめ合い、
【ウナツキアミテ】 「ウナツキ」は「頷き」の意で、ここでは確かめ合うこととした。「アミテ」は本文060の「トマエニアイミ ツマトナス」と同義で、音数に合わせて「アミテ」としたと解釈した。
02-105 イサナキト イサナミトナル
名前をイサナギ尊、イサナミ尊と名乗られた。
02-106 フタカミノ マジワルトキニ
二尊が夫婦の契りを交わす時に
02-107 トコミキヤ トコハトホコニ
トコ御酒を召された。トコの意味するところは、トと矛を以って世を治める
コオモトム ササケハトコヨ
世継ぎを生むことなのである。酒はその昔
【トコヨ】 トコヨ国が原義だが、ここではモモヒナギ、モモヒナミの時代。ここでは「トコヨ国ほどの昔」というようなことと解釈したが、実際はモモヒナギ・モモヒナミの時代からは百年程度であろう。
イノクチノ スクナミカミノ
イノクチにいたスクナミカミが
【スクナミカミ】 前述038「ミキツクリソメ」の項参照。
02-110 タケカフニ ススメガモミオ
竹の切り株に雀が籾を
02-111 イルオミテ ミキツクリソメ
入れるのを見て初めて作った。その酒を
02-112 ススメケリ モモヒナキヨリ
モモヒナギ尊に勧めたのである。モモヒナギ尊から
02-113 ササナミト ナオタマフヨリ
スクナミカミにササナミという名を賜い、
02-114 ナモササケ ソノカミイマス
それ以後、酒をササケというようになった。ササナミカミは、今は
ササケヤマ ココノクミトハ
ササケ山に祭られている。ココノクミは、モモヒナギ尊、モモヒナミ尊が
【ココノクミ】 「ココ」は数詞にはなっていないが「九・九」と読んだ。「クミ」は「汲み」と読むと、現代の結婚式における三々九度の盃が連想される。ウビチニとスビチニの盃のやり取りの様子が後の三々九度の盃の習わしの元になったのだろうか。
ヤヨイミカ サカツキウメル 
弥生三日に結婚した時に始まる。イサナギ尊をサカツギとして
【サカツキウメル】 アメヨロツの項でも述べたが、サカツギと読み、漢字にあてると「離継ぎ」とでもなろうか。イサナギは四世孫なので、ウビチニが産んだのではないが、その血筋の元になったということ。
カミノナモ ヒナガタケトゾ
後の世に送り出したウビチニ尊は、ヒナガ岳と
【ヒナガタケトゾ タタユナリケル】 ウビチニはヒナルノタケの神宮で生まれた。ウビチニは結果的に血筋を絶やさなかったので讃えられたのである。
02-118 タタユナリケル      
讃えられているのである」。