| 06-048 |
|
タマキネ自身はサホコチタル国を
先頭の番号が青い行は、クリックすると解釈ノートが見られます。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
| 06-049 |
|
宮津の宮で治めた。
| 06-050 |
|
ツキスミにはシマツヒコの代より
【ツキスミ】
九州。
| 06-051 |
|
子孫が七代住んでいた。現在は七代目のカナサキが
| 06-052 |
|
一族のムナカタとアツミに
| 06-053 |
|
補佐をさせて治めている。ヒノカミの世も豊かに
| 06-054 |
|
治まって、長い年月が経った。
| 06-055 |
|
二十二スズの五百五枝の始めの年に
| 06-056 |
|
宮津のタマキネより急使者が来たので
| 06-057 |
|
ヒノカミが急いで宮津のマナヰに
| 06-058 |
|
行幸された。そこで、タマキネは
| 06-059 |
|
ヒノカミと語り合った。「昔、アメの道の奥義を
| 06-060 |
|
教え尽くすことができなかったので、ここで待っていました」と言って
| 06-061 |
|
最後の奥義を授けた。「諸々の臣達も
| 06-062 |
|
よく聞きなさい、キミはいつの世でも
【キミ】
ここから「キミ」という言葉が使われているので、これ以降はアマテルカミを「キミ」とも表す。
| 06-063 |
|
すべての人の御親なのです。これは国常立の
| 06-064 |
|
教えです」と言葉を残して、洞を閉ざし
| 06-065 |
|
亡くなった。その洞の上に建てた
| 06-066 |
|
朝日神の宮をキミは懇ろに
【アサヒカミ】
トヨケの神名。朝日の宮は現在、伊勢神宮の内宮となっているが、本文では朝日の宮は真名井にある。アマテルカミは、没するときトヨケと同じ真名井の朝日の宮に入ることを望んで祭られたが、後にアマテルカミはイスズ川の辺りに遷された。それが今の伊勢神宮の内宮で、本来トヨケの宮である朝日の宮という名前も遷されたと考える（現在の伊勢神宮では正式には内宮を朝日の宮とは呼んでいない)。後にトヨケも外宮に祭られた。今日でも伊勢参りの時は「外宮が先」と言われているのは、トヨケはアマテルカミの祖父であり師であるからである。(28綾本文137以降参照)宮津の真名井神社では昔のままトヨケが主座で、アマテルカミは西座となっている。
| 06-067 |
|
祀った。その後キミは、帰ろうとしたとき
| 06-068 |
|
御輦を引き留めようとする民を
| 06-069 |
|
かわいそうに思い、宮津に留まって自ら政を
| 06-070 |
|
執られた。ヤスクニの宮にトヨケが亡くなったことを告げる
| 06-071 |
|
急使者があったので、ムカツ姫は
| 06-072 |
|
詔をして、日高見に
| 06-073 |
|
トヨケ神を祭らせた。スケ妃のモチコ姫と
| 06-074 |
|
ウチ妃のハヤコ姫とオシモ妃のアチコ姫の三人は
| 06-075 |
|
早々にマナヰの原に行って、
| 06-076 |
|
朝日の宮に仕えた。キミの詔があったので
| 06-077 |
|
三人は朝日の宮を出てキミの宮津の宮に仕えた。
| 06-078 |
|
三人が宮津の宮にいるとき、キミはミカリのために
【ミカリ】
問題のある国に出向いて、そこで政の欠陥を正したり自ら政を執って国を建てなおしたりすること。
| 06-079 |
|
チタル国に行き規則を定めて
| 06-080 |
|
国を治めた。その後ヤソキネの弟の
| 06-081 |
|
カンサヒをマスヒトに任命し
| 06-082 |
|
またその弟、ツハモノヌシと
| 06-083 |
|
コクミを補佐役にした。キミは三人の局を宮津の宮に留めて
| 06-084 |
|
帰ろうと、前の年より仕えていた
【コソヨリムカフ】
「ムカフ」では意味が取れない。長弘本に「ツカフ」(仕える)とあるので、ツカフと読み替えた。
| 06-085 |
|
ソサノヲとアマノミチネを連れて
| 06-086 |
|
旅立った。ネナトの弥生、
| 06-087 |
|
望の日に出発して卯月の望の日に
| 06-088 |
|
帰り着かれた。その後ヒノハヤヒコに
| 06-089 |
|
「汝、国の絵地図を
| 06-090 |
|
描いてきなさい」と命じた。ヒノハヤヒコはヤマトの隅々まで巡って
| 06-091 |
|
全て描いた。キミは都を
| 06-092 |
|
遷そうと考え、オモイカネに
| 06-093 |
|
宮を造らせた。宮が出来上がったのでイサワに
| 06-094 |
|
宮を遷した。ここにおられる時
| 06-095 |
|
ムカツ姫が、藤岡の洞から湧き出る
【フヂオカアナノ オシホヰニ】
「アナ」が分かりにくいが、訳者は次のように解釈した。「アナ」は文脈から「井戸」と思われるが、今日のような掘り抜き井戸ではないと思う。伊勢神宮外宮境内の藤岡山の山裾に「上御井（ｶﾐﾉﾐｲﾉ）神社」(主祭神の別名「忍穂井」)があるので場所はそこだと思われ、神事に使う井戸もあるが、これは後世掘られたものではないか。山裾ということを考えると、「忍穂井」は岩の割れ目や洞からの湧き水だったのではないか。それで「アナ(穴)」と言ったと推察する。
| 06-096 |
|
忍穂井の産屋で出産され、
【ウブヤノミミニ アレマセル】
「ミミ」が分かりにくい。これを「隅」と訳すと、わざわざ忍穂井に産屋を建てて、なぜそんな隅っこで出産しなければならなかったのか説明がつかない。訳者は「ミミ」を「身身」すなわち出産と解釈し、「ウブヤノミミ」を「産屋での出産」と訳した。そして皇子が「アレマセル」すなわち「お生まれになった」のである。
| 06-097 |
|
お生まれになった皇子をヲシホミミの皇子、
| 06-098 |
|
諱オシヒトと皆に告げた。
| 06-099 |
|
世継ぎができた祝いの餅を下されたので
【カミアリノ】
神の恵みがあった、すなわち世継ぎができたということ。