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それを退けてくれます。死ぬほど恨まれても
12-053
アマガツが自分の身に恨みを受けて
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身代わりとなってくれます。荒々しい鬼を
退治する時は、空這う子で
【ソラハフコ】 3行後では「ソラホオコ」と表記が一定していない。解釈ノート003でも触れたが、「アマガツ」の名を授かった幼児の這う姿を「這う子」と呼び、吊るしたものを「ソラハウコ」と言ったのであろうか。ぬいぐるみのような「はいはい人形」は今日でも見かけるが、藁で作ったそれは見かけない。
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鬼を呼び寄せて、しめ縄を張り巡らして
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祓いをしなさい。これは鬼を縛る
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勝れた方法です。空這う子は
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稲のひこばえの藁で作ります。
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神アマガツは布で作り
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神の力を込めます。アキツ姫が作った神歌。
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『アマガツに神の名をアマテルカミが賜ったので、
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ハタレらが災いをもたらそうとも
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主の身代わりとなり、
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すぐさま力を発揮し、
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主を災難からことごとく免れるようにしてくれる
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アマガツの神』
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この歌をアマガツのお腹に入れて
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作るのがよろしいでしょう」と言った。その時シホガマが
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また聞いた。「どの人形にも同じようにすれば
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いいのですか」。カスガマロが答えた。
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「そうではありません。ただ漫然と作ったのでは
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枯れ木同然です。心をこめて作るからこそ尊いのです。
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例えば、塩で味を付けるとします。
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塩加減を考えなければ、薄過ぎたり辛すぎたりして
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塩の役目をしません。このアマガツも
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心をこめた願いを入れて作ることが大切なのです」。
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その時に、シオガマをはじめ
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みながハヤアキツ姫を褒め称え、その
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功績を末永く伝えて
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サッサツの囃し歌としてみんなで楽しむようになった。
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婚礼の時、輿の前に据える
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アマガツの習わしはこういうことによるのである。
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