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12-052 シリゾクル マカルウラミハ
それを退けてくれます。死ぬほど恨まれても
12-053 アマガツガ ミニセメウケテ
アマガツが自分の身に恨みを受けて
12-054 カハルナリ アレオニモノオ
身代わりとなってくれます。荒々しい鬼を
ヤブルナラ ソラハフコニテ
退治する時は、空這う子で
【ソラハフコ】 3行後では「ソラホオコ」と表記が一定していない。解釈ノート003でも触れたが、「アマガツ」の名を授かった幼児の這う姿を「這う子」と呼び、吊るしたものを「ソラハウコ」と言ったのであろうか。ぬいぐるみのような「はいはい人形」は今日でも見かけるが、藁で作ったそれは見かけない。
12-056 マネキイレ シメヒキワタシ
鬼を呼び寄せて、しめ縄を張り巡らして
12-057 ミソギナセ オニカミシバル
祓いをしなさい。これは鬼を縛る
12-058 ウツワモノ ソラホオコトハ
勝れた方法です。空這う子は
12-059 ヒツジバエ ワラモテツクル
稲のひこばえの藁で作ります。
12-060 カンガツハ ヌノモテツクリ
神アマガツは布で作り
12-061 カミマネク アキツメノウタ
神の力を込めます。アキツ姫が作った神歌。
12-062 アマガツニ カミタマワレハ
『アマガツに神の名をアマテルカミが賜ったので、
12-063 モロハタレ サハリナストモ
ハタレらが災いをもたらそうとも
12-064 キミガミニ ヒトタビカハリ
主の身代わりとなり、
12-065 タチマチニ タチハタラキテ
すぐさま力を発揮し、
12-066 キミガヲヱ ミナマヌカルル
主を災難からことごとく免れるようにしてくれる
12-067 アマガツノカミ      
アマガツの神』
12-068 コノウタオ ミハラニコメテ
この歌をアマガツのお腹に入れて
12-069 ツクルヘシ トキニシホカミ
作るのがよろしいでしょう」と言った。その時シホガマが
12-070 マタトハク イツレモミギノ
また聞いた。「どの人形にも同じようにすれば
12-071 コトクカヤ カスガコタエテ
いいのですか」。カスガマロが答えた。
12-072 サニアラス タタニツクレハ
「そうではありません。ただ漫然と作ったのでは
12-073 カレキナリ ミタマアレバゾ
枯れ木同然です。心をこめて作るからこそ尊いのです。
12-074 タトフレハ シホノアチアリ
例えば、塩で味を付けるとします。
12-075 ハカラネハ アチナシヤケド
塩加減を考えなければ、薄過ぎたり辛すぎたりして
12-076 シホナラス コノアマガツモ
塩の役目をしません。このアマガツも
12-077 ココロアヂ イレテナスナリ
心をこめた願いを入れて作ることが大切なのです」。
12-078 ソノトキニ シホカマハシメ
その時に、シオガマをはじめ
12-079 モロホメテ ハヤアキツメノ
みながハヤアキツ姫を褒め称え、その
12-080 イサオシオ ヨヨニノコシテ
功績を末永く伝えて
12-081 サッサツノ コヱトタノシム
サッサツの囃し歌としてみんなで楽しむようになった。
12-082 ヨメイリノ ソノサキノリノ
婚礼の時、輿の前に据える
12-083 アマガツゾコレ      
アマガツの習わしはこういうことによるのである。
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