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15-047 ナルクサキ ウツホハタスク
草木が生えてくる。ウツホは草木の生長を助け
15-048 ミヅヒヤス バハケガレスル
水は枯れないように冷やす。悪い土は草木の成長を妨げる。
15-049 ハナモミモ アメノママナリ
花が咲くのも実がなるのも天の意思に依っているのだ。
15-050 ミツハクフ フヨハクワヌゾ
三つの元素でできている物は食えるが、二つ、四つの元素の物は食えない。
15-051 イシタマノ フナルハツキズ
石や玉などの二元素の物はいつまでもなくならない。
アラカネノ ミツハホネリテ
三種類の粗金は熱を加え溶かすと
【アラカネノミツ】 錫鉛、金銀、銅鉄の三種類。
イロカワル クサキノムシノ
それぞれの金物になる。草木につく虫の
【クサキノムシノ ミツナコヱ】 「ミツナコヱ」は、この後の「ナモミコヱ」(名前も3音で)と同様に「3音」とした。
15-054 ミツナコヱ カゼニコヱアリ
三音のもので、カゼの元素が多いものは鳴く。
15-055 ウツホハネ ハニムシモコレ
ウツホの元素が多いものは羽がある。地面にいる虫も同様だ。
15-056 ウツホカゼ ホミヅノヨツガ
ウツホ、カゼ、ホ、ミズの四元素から
15-057 ナルトリノ ホカツハオヨク
できている鳥の中で、ホの元素が多いものは泳ぐことができる。
15-058 ハニトミヅ ホカセノヨツガ
ハニとミヅ、ホ、カゼの四元素で
15-059 ナルケモノ カゼミヅヨルオ
できているものが獣である。カゼとミヅが多い獣は
15-060 ナモミコヱ キツネタヌキゾ
名前も三音で、例えばキツネやタヌキである。
15-061 ホトハニノ ヨルハフタコヱ
ホとハニの多い獣は二音で
15-062 ヰノマシゾ ヨツナモコレゾ
ヰノ(イノシシ)やマシ(サル)である。四音の名前の獣も二音の獣と同様である。
15-063 ツキノミツ クタセルツユハ
月の水が降りてできた露は
15-064 カハノミヅ ウツホウクレバ
川の水となり、その水がウツホを受けると
クモトナリ チアユミノボル
雲となる。空高くまで登る
【チアユミ】 1000歩。空に向かって1000歩の距離ということで、高くまで。
ハニノイキ ノボルイガクリ
土からの湯気が立ち昇っていく様子は
【ハニノイキ】 「ハニ」は「土」。「イキ」は土から立ち上る蒸気。湯気。
【ノボルイガクリ イヰノナリ】 「イガクリ」の「イ」は前出の「イキ」(湯気)。「クリ」は繰ること。湯気が続いて立ち上ること。「ヰイ」は飯。「ナリ」はその様子。
イヰノナリ ソヤトメヂツヱ
あたかも飯の炊きあがる時の湯気のようである。十八トメジ上空の
【ソヤトメヂツヱ】 「トメジ」は長い距離の単位。ミカサフミのタカマナル綾に、「クニタマ」(大地、地球?)の直径は114トメヂ、周は365トメヂと書かれている。現代の円周率を使った計算では周は358トメヂになる。365は一年の日数から考えられた数ではないか。ホツマツタヱに出てくる360や365を角度と捉える向きもあるが、私は1年の日数をもとにした数であると考える。「ツ」は「~の」の意。「ヱ」は上。
クモナカバ フレバメヅヱニ
雲の半ばで時間が経つと大地と
【メヅヱ】 ほかの写本の「メツヱ」を採用し、メ(大地)の上。
15-069 アイモトメ アメトフルナリ
相求めあって雨となって降ってくる。
15-070 サムカゼニ ユキトコホレド
冷たい風によって凍って雪になるが
ヲニトケル ヨルナミウケテ
日によって解ける。月の精気を受けて
【ヨルナミ】 「ウル」(日の精気)と対になる言葉。月の精気。
15-072 ナルウシホ ヤクシホスガノ
できた海の水は焼くと塩になり、清く
15-073 ウツワモノ ハメバミノアカ
貴重なものである。食べれば身の穢れを
マヌカルル ミツハニフクム
除くことができる。水の中に住み土にもぐって
【ミツハニフクム ホナルカヰ ミヅウクウツホ ホナルウオ】 貝と魚の生態の違いを、土にもぐっているか水中に浮いているかと見ていたのではないか。
15-075 ホナルカヰ ミヅウクウツホ
ホを持っているのが貝である。水の中をウツホのように泳ぎ
ホナルウオ シハウロコヨシ
ホを持っているのが魚である。魚の肉は鱗がある物がよい。
【シハウロコヨシ】 「シ」は「シシ」の短縮。肉のこと。「ウロコヨシ」は2通りの解釈ができる。鱗のある普通の魚と、うなぎ、ドジョウ、ナマズのような鱗のないものとの違いか、新鮮な魚と鮮度が落ちて鱗が取れた魚の違いか、どちらであろうか。本文120の「ウロコイオ」もどちらだろうか。
15-077 ホハクサシ ムカシナカクニ
ホが多いものは臭い。昔、ナカクニ(近江)にいた
ウケモチノ カミガウケナオ
ウケモチがたくさんの作物の苗が出来ることを
【ウケナ】 「ウ」は「たくさんの」、「ケ」は「食べ物」、「ナ」は「苗」と解釈した。
15-079 アニコヱバ ヒヨウルタネオ
天に願うと、日と月の精気を受けたよい種を
アニクタス ヒウルニハユル
天より下された。日の精気を受けて生え、
【アニクタス】 「アニコヱハ、アニクタス」は「天に願って、天に下す」と読めるが、意味が通じない。「アニクタス」の「ニ」は動作の主体を尊敬して使う「ニ」として、「天より」とした。「よい種を天より下された」というのは、例えば農耕の工夫をしてより良い作物が多く収穫できたのか、今でいう品種改良のようなことをしたのか、努力や工夫で願いが実現したことを言っているのではないか。
ウルノソハ ウルタノソナヱ
日の精気を宿した稲は、水田の稲の苗より育つ。
【ウルノゾ】  普通の「ソ」の中に点が四つあるホツマ文字は作物が生えている様子を表している。これは表音文字に特別な意味を持たせたよい例である。また、これは濁点が付いていないので「そ」と読むべきかと思うが、和仁估は「ゾ」とルビを付けている。他にも多数あるが、清音にした方がよいと思われるものについては濁点を取った。
ヨルナミニ ハユルナロナハ
月の精気を受けて生えたナロナは
【ナロナ】 前の「ナ」は今でいう野菜。「ロ」はヒエやアワなどの畑にできる穀物。後の「ナ」は苗。
15-083 ハタノタネ クニトコタチノ
畑の作物のもとになる。クニトコタチが
15-084 アメマツル ミケハコノミカ
アメミヲヤを祭る時、御神饌は木の実だったようだ。
15-085 クニサツチ ウムウケモチノ
クニサツチの一人が生んだウケモチの
15-086 ヤヨノマゴ イマノカダナリ
八代目の子孫は今のカダであるが、
15-087 ウケモチガ ハヅキハツヒニ
ウケモチが初めて八月一日に
15-088 ナルハツホ トヨクンヌシニ
できた初穂をトヨクンヌシに
15-089 タテマツル キミハカシキノ
献上したのである。トヨクンヌシは赤と白と黄色の
ユフニギテ アメナカフシノ
ユウの幣でアメナカフシの
【アメナカフシノ カミ】 13綾本文036に「ヒノミチハ ナカフシノソト」と出てきており、その外を日が、内を月が巡るとした。このことから、日と月の神ではないかと考える。
15-091 カミマツル ソロノホヅミノ
神を祭られた。稲や畑の穀物の穂を摘んで
15-092 ミケモマタ ウスツキシラゲ
供えた御神饌もまた、臼でついて白くして