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世は治まります。カグツチ神と
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ハニヤス神が結ばれて、たくさんの
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オゴロを産んだが、竜になれずに
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捨てられたというオゴロの話を聞いたオオクヌカミの
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告げにより、天の皇孫が
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詔を下されました。『オゴロのカミよ
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春は竈の九咫塞(ｿｺ)に在れ。
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夏は門の三咫塞に在れ。
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秋は井戸の七咫塞に在れ。
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冬は厠の一咫塞に在れ。
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新宮の建てられた地を
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守って、末永く
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住みやすくせよ。兄オゴロが守れば
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次に弟オゴロが代わって守り
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終日宮の高殿の
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クロトコロの中柱の
【クロトコロ】
語義不詳。大辞林に「黒戸の御所」として「(煙ですすけて黒くなっていたところから)内裏の清涼殿の北廊で、滝口の戸の西にあった細長い部屋。くろど。」とある。平安時代の「天皇の常の居所」である清涼殿に近いものと考えた
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根元にいて、ヤマサの神と
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諸共に代々の竈を
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守るべし。
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それを誓うには御柱を大事にせよ』
【チカヒニハ ミハシラタテヨ】
和仁估本も長弘本も一字下げになっている。「マモルベシ」と「タテヨ」と命令形になっているので皇孫のことばのまとめと考えたが、なぜ一字下げになっているのか、具体的にどんなことか、よく分からない。「ミハシラ」を高殿の中柱と考え、「タテヨ」はここでは「主とする。もっぱらにおこなう。」「損なわれないように保たせる」「一段高いものとして尊ぶ」というような意味にとらえて訳したが、もっとよい解釈はないものだろうか。
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これで、アマカミの祝詞の奉唱が
【コノトキニ アマツミコトノ サダマレバ】
「コノトキ」とは本文023のヒサカタノ アマテルカミノ…」から067の「チカヒニハ ミハシラタテヨ」までの「アマツミコト」すなわちアマテルカミと二尊とニニキネについての話が終わったとき。
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済んだので、オキツヒコが赤白黄の木綿の
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幣で火・水・土の祓いを行った。
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オキツヒコは、「ここもタカマノ
【ココモタカマノ ハラナレバ】
「ココ」はニニキネの新治の宮のこと。アマテルカミの伊勢とタカミムスビのヒタカミが政治の中心地として「タカマ」と呼ばれていた。次代を担うニニキネの新治の宮もそれと同じということ。
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ハラなので末々までも祭る」という誓いの
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祝詞をあげた。「もしも大地を揺するほどの
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雷の被害が
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ありそうな時は、東北の一本の樹を
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居社としてヱトの六十日毎の
【ヱトノムソカニ モリアマル】
21綾解釈ノート222参照。八・七・五の神の守る日は60日を１巡りとしてその６巡りの360日で、日の１巡りは５～６日が余る、と考え60日毎とした。
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八・七・五の神の守りから漏れる
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空白の日を守るウツロイの神が
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現れて、例え雷がきても
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地が揺れ動いても、ウツロイの威力を以て
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鎮められるだろう。もしも叢雲が
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光を奪い、道が分からなく
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なりそうな時は、シナトベの神が
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現れて、道の明かりを奪う
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八重雲をシナドの風で
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吹き払い、明るくなることを
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知らせるだろう。もしも、竈の火が消えるようなことが
【ヒケガレ】
「火穢れ」か「火気枯れ」か、竈の火が悪い状態になること。
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おきた時でも、カグツチの神が
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現れれば、例えわずかな残り火さえ
【オダキ】
「オ」は小さい。少ない。「ダキ」は「焚き」。この意味で訳はわずかな残り火とした。
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無くなったとしても、また火打ち石で
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改めて火を打ち、清い愛宕火とできる。
【キヨキアタゴト シキミヨリ】
「アタゴ」を辞書で引くと、防火の神を祭っている京都と東京の「愛宕神社」が出てくる。これからも「アタゴ」と火とは関連があると考えられ、「安全な火」というような意味の言葉とした。また、「アタゴ」と植物の「シキミ」の組み合わせから、「アタゴ」を愛宕苔と考え、「シダと愛宕苔を供える」と訳すことも考えられる。
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シキミを供えて、竈を清く
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守るのがよい。もしも、火災が
【ホワザ】
火の災い。
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あった時は、タツタ姫の神が
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現れて、例え炎に
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苦しめられても、タツタの火の鎮めで
【タツタニシヅメ】
21綾本文175に防火の神として書かれている。
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苦しみを除いてくれるだろう。もしも、井戸の水が