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【カミナフミ】
927年にまとめられた延喜式巻九・十の神名帳と言われる神社一覧の原形か。崇神天皇は神を畏れ、全国に数多くの神社を作ったようである。
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神部に八百万神を
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祭らせた。疫病が収まって直り
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稲が実り民は豊かになった。
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八年四月四日にタカハシイクヒが
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神酒を造って、三輪大神に
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奉った。その味は良くできていた。
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十二月八日に大三輪の神を祭りに
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君は行幸した。タカハシイクヒの酒で
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宴を開いた。君が歌を詠まれた。
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「この神酒は吾のための酒ではない。
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大和におられる大物主の
【イクヒサヅクル】
タカハシイクヒの「イクヒ」と「イクヒサ」(幾久、ずっと末永く)と掛けてあり、「サヅクル」と「サ」が重なっている。
【スギバイクヒサ】
「スギバ」は杉の葉。23綾の本文387にクシヒコが洞に入った後、「スグナルヌシオ ミワケント スグナシルシノ スギウユル」とある。
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宴を終えて臣達が歌って
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「三輪の殿で飲んだ酒のなんと旨かったことよ。
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朝の戸を開けて、さあ出て行こう、
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三輪の殿の戸を」。
【コレカエウタニ】
「カエウタ」は返歌と考えられるが、気分良く飲んだ翌朝、家臣が名残惜しそうに詠んだ歌に、座興で「いやまったく、帰りたくないものだ」と付けた歌は「返歌」と言えるかもしれないが、内容的に「替え歌」としてもよいのではないだろうか。
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「三輪の殿で飲んだ酒があまりにも旨かったので、
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朝の戸も開きかねるよ。
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三輪の殿の戸を」と歌った。
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みな殿の戸を押し開いて帰った。
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九年三月望の夜、夢に
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神の告げがあった。「赤白黄の幣を飾り、矛を立てて
【ウタスミサカ】
奈良県宇陀郡榛原に墨坂神社があるが、その辺りか。以下、オオサカ、カワセサカ、は場所を特定できない。「ミオ」は24綾本文135に出てくる滋賀県の「ミオ」か。
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オオサカもカワセサカもミオも
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残すことなく祭れ。そこには罪人の
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シイが留まって疫病をはやらせているからである」。
【ヲトミ】
「ヲ」が重臣のような立場を指すのか、役名を表すのか、どんな役なのか不明だが、家系を見るとかつての鏡の臣(左の臣)と剣の臣(右の臣)のような立場ではないかと解釈できるので、ここでは「大臣」とする。
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オオタタネコとにタマガエシの法で
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罪人のシイを祭らせた。それによって、世の中が明るくなった。
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十年ネヤト、七月二十四日に
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詔があった。「民を治める教えに従って
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神を祭り、やっと厄災が去ったが、
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遠方の国では無法者どもが規則を
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まだ守ろうとしないでいる。それ故それらの国へ勅使を
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遣わして規則を教えさせることとする」。
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九月九日、オオヒコを
【ヲシ】
ここでは「ヲシカド」(勅使)ではなく「ヲシエド」(教え人)
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ホツマの教え人に、キビツヒコを
【ツサノヲシ】
「ツサ」は西南。すぐ前の地名に対応させると、「山陽」であろう。
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丹波の教え人にした。教えを受け入れなければ
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成敗するようにと親書を賜り、
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兵を率いて、みな出発した。
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望の日にオオヒコが
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ナラサカを通りかかると、乙女が歌を歌っていた。
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「気を付けて、ミマキイリヒコが危ない。
【オノガソエ】
ミマキイリヒコを狙っているのは、父親の異母兄弟である伯父のハニヤス。このことを前提とすると「ソエ」は、華道の「主な枝に添えて挿す枝」のような人物。すなわち傍系の人物となる。ここでは漠然と「身内」と歌ったとした。
【ヌスミシセント】 「シ」は上の語を強める間投助詞。
【ヌスミシセント】 「シ」は上の語を強める間投助詞。
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裏の戸を行きつ戻りつ、
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前の戸も行きつ戻りつ