ホツマツタヱに魅せられて

 「ホツマツタヱ」は、1966年以降、松本善之助氏等によって何種類か発見されましたが、現存するのは江戸時代に筆写されたものだけで原本は見つかっていません。原本がないことに加えて、文字の形や「アカハナマ・・・」という文字の並び方、また漢字仮名交じり文にするとおおよその意味が分かるような文体への疑問、そして江戸時代の学者の説や政治的な思惑や今さら学説を変えるわけにいかない記紀研究者の立場などが絡んで巷間、偽書だと言う人が多いようです。
 わたしもなぜ写本しか見つからないのか疑問に思うこともありますが、記紀には書かれていない内容も多く、記紀を下敷きにしたとは到底考えられないこと、感動して思わずジンとくるような情感あふれる格調高い文章で書かれていること、2千年も前にこんなこと考えていたのだと驚くような科学や思想が書かれていて、政治的な思惑で書かれたものとは思えないこと、などなど、偽書だと言って切り捨ててしまうのはあまりにも勿体ない古文献だと思います。 わたしは、今はホツマツタヱはまぎれもなく超一級の古代史料だと信じています。そして、多くの人にホツマツタヱの内容を知ってほしいと願うようになりました。
 ホツマツタヱの現代語訳は、これまでも多くの先輩が試みてこられ、大変参考になりましたが、ホツマツタヱに魅せられた私は、全行にわたって分かりやすい現代文で、もっと誰でもが気軽に読める「ホツマツタヱ」にしたいと考え、とうとう拙訳を読んでいただきたく公開することにしました。浅学非才にして粗忽なものですから、時に大間違いがあるのではないかと恐れています。ご指摘には謙虚に耳を傾け、より良い訳にしていきたいと思います。
そして、ホツマツタヱに導かれて「新説・異説」に書いたようなことが、日本の古代史が記紀の呪縛から解き放たれるための捨て石にでもなればこの上ない喜びです。
・・・・・平成27年12月4日