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通じ、アメミヲヤの神の
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目から降りる日と月の霊力と
【マナコヨリ モルルヒツキ】
日と月はアメミオヤの神の目。日から御魂が降りて生まれたのがアマテルということになる。
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アモト神や三十二の神が
【アモトカミ】
フトマニ図では、中心にアメミヲヤ(アウワ)、その外側にトホカミヱヒタメの８神、その外側にアイフヘモオスシの８神。その外側にミソフ(３２)の神が坐している。トホカミヱヒタメはヤモト神とも呼ばれる。アイフヘモオスシはアナミ(アナレ)神とも呼ばれる。ヤモト神とアナミ神の１６神をアモトカミという。ミソフの神はタミメヒコとも呼ばれる。
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守ってくれるので、必ず子種が宿ると
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トヨケ尊は確信しました。同じ頃二尊が
【ギミ】
二人の君。ここではイサナギ、イサナミの二尊。
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ハラミ山に登ったとき、イサナギ尊が言われました。
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『二人で一緒に国々を巡って
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民を治め、姫皇子を産んだが
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世継ぎの皇子が生まれず、心が安らかでない』。
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イサナギ尊は池の水で左の目を洗っては
【タ】
左。右はカ
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日の霊に祈り、右の眼を洗っては
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月に祈りました。イシコリトメが
【イシコリトメ】
鏡を作る職人。
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マス鏡を造りイサナギ尊に差し上げました。
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イサナギ尊は世を治めることのできる
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尊い皇子を産もうと思われて
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マス鏡を両手に持ち、日と月に
【マスカガミ】
真澄鏡の略と言われる。
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なぞらえて、神の力が出てくる
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ことを願われ、左右に首をめぐらして
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世継ぎ皇子が生まれることを願いました。このように日を重ねて
【アグリ】
広辞苑には「女の子の名前。女ばかり生まれて男の子が欲しいとき、あるいは最後の子にしたいとき名付けた」とあるが、ここでは男の子(世継ぎ)を産むこと、またそのための手立て。
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イサナギ尊の体内に御霊が入りました。入ったところはチリケの
【カドハチリケノ アヤドコロ】
カドは出入口。チリケは鍼灸の用語ではうなじの下。アヤドコロは急所。
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急所で、祈りが千日に
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なるころには、白い脛が色づき
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桜色になりました。ある日イサナギ尊が
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月の障りはどうかと尋ねると、イサナミ尊が答えました。
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『月の障りは終わりました。
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三日経ち、身が清くなりましたので
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君がいらっしゃるのをお待ちしています』。イサナギ尊も微笑んで、
【ヒ】
君。この場合はイサナギ。
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一緒に日を拝むと、日の輪が
【オガムヒノワノ トビクダリ】
世継ぎを授かるようにと二尊が願い、気持ちが高揚したことか。「日の輪」はアマテルの暗示。
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飛び下って来てニ尊の前に
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降りて留まりました。思わずとてもよい
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夢心地になり、我に返ったとき気持ちが潤っていて
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快い気分でした。宮に帰ると
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ヤマスミが差し上げた酒をイサナギ尊がイサナミ尊に勧めました。
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そしてイサナギ尊は、『トコ御酒を知っているか』と聞きました。
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イサナミ尊は答えました。『コトサカノヲ命に
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作法を聞いたところ、トコ御酒はまず
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妻が飲んで、その後夫にすすめます。
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床入りのときは、妻は声を出しません。
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夫の振る舞いを妻が察して受け入れます。
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シタツユを受け入れればお互いに
【シタツユ】
精液。唾液という解釈もあるようだが、このすぐ後に子種が宿るとあるのでこのように解釈した。他の綾では「シジナミ」「チチノナミ」「チチノカリナミ」「カリノシジナミ」とも書かれている。本書ではあまり直截な表現は避けたいので、ここではそのまま「シタツユ(下露)」と訳す。「シジナミ」などの所では「精水」とした。
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打ち解けて、子宮（ｺﾐﾔ）の
【タマシマカワノ ウチミヤ】
子宮。この時代は外性器と内性器を合わせて「タマシマガワ」と呼んでいたのではないか。余談になるが、江戸時代の銅鏡に「玉川」という言葉が裏の飾りとして書かれているものがかなりある。貴重な嫁入り道具の一つであった銅鏡に、なぜ「玉川」という言葉が書かれているのか不思議であったが、「子宝に恵まれるように」という願いが込められた言葉だと、ここで納得できた。
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中に子種が宿るというのが
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世継ぎを授かる作法です。世継ぎ皇子を授かるための
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トコ酒は、国造りをするための
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教えなのです』。そのようにして交わって
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身籠ったけれども、十月目には生れず
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それから月日が経っても産まれないので、やはり
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病気かとイサナミ尊は心を痛めました。