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撒かせると、炎が消えてしまったので、
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これは大変だと、ハタレのハルナが逃げようとするのを
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タヂカラヲが
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飛びかかって、くんずほぐれつの末に
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押し倒して縛りあげた。ハタレ達もみな
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捕まえ縛った。アマテルカミの前に引き連れて座らせ、
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輦の垂れを上げた。アマテルカミはヤサカニの
【ヤサカニノ マカルタマ】
広辞苑では「ヤサカ」は8尺(ここでは長いことの比喩的表現)「ニ」は玉。このことから、勾玉を連ねた装身具と考えられる。
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勾玉を身に着けて、セオリツ姫はマフツの
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ヤタ鏡を持ち、アキツ姫はクサナギの
【クサナギ ヤヱツルギ】
「クサナギ」は民草(タミグサ・人民)を罰すること。「ヤヱツルギ」は「ヤヱガキノツルギ」。23綾で、アマテルカミが、アマメヒトツという刀鍛冶の作った8本の刀を誉めてつけた剣の名。正邪を見極めるというこの刀で人を裁いた。
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八重剣を持っていた。取り調べの時にイフキドヌシが
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なぜ反乱を起こしたのかと聞くと、ハルナの首領が答えた。
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「やつかれにネのマスヒトが
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教えてくれた。功績を立てたら
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国の守にしてやる。これはソサノヲの
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お言葉だと」。そこでイフキドヌシが
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マフツの鏡に照らせば、言っていることが本当かどうか分かるだろうと、
【マフツナラ カンガミン】
マフツの鏡は写されたものの裏が見えるので、嘘も見抜けると考えられていた。17綾本文076以降を参照。
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鏡に写ったハタレ達を観察すると、ことごとく
【フツク ツバサアリ】
銅鏡のような金属で作られた鏡にどのように映ったかは定かではないが、意識を集中して観察することには役だったのではないか。悪い人間だと感じたことを「ツバサアリ」と表現したのではないだろうか。現実的に訳そうとすると大変難しい。
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翼を持つヌエアシモチだと感じた。イフキドヌシが言った。
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「このハタレ、ヌエアシモチだぞ。
【ヌヱアシモチ】
詳細は不明だが、得体のしれない怪物や悪魔のことか。
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人を騙す技でたぶらかす者は
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みな切ってしまおう」。そこで、クマノクスヒが
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熊野の宮のシイを枯らす役人を呼ぶと、役人が
【カラス】
6綾本文125に「シコメガシヰオカラスカミを祭るとカラスが群れてきた」とある。ここではその役人をカラスとよび、シヰを枯らす、すなわち悪い心をよい方へ導く役人と解釈した。
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八人来た。そこでハタレの
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それまでの悪い心を取り除き、悪いことをしないと誓約させた。
【チオシボリ】
「チ」は血ではなく霊(チ)。この時代の人々は心の働きに霊的なものを感じていたのであろう。「チオシボリ」で、悪い心(精神)を取り除くとした。この後、「チオソソグ」とあり、これはよい心を与えること、すなわち、正しい生き方を教えることとした。
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そして、ハタレ達に海水で禊ぎをさせ、彼等の影をマフツの鏡に写して、
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ほとんどのハタレは真人間になったと確信した。彼らはみな
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アマテルカミの民となった。以前牢屋に入れた
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六人のハタレの首領とハルナのハタレ達
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五千人と、各地に預けたハタレ四千人とを
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みな連れてきて、正しい生き方を教えた。
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しかしキクミチの三人の首領には
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まだハタレの影があった。そこで、「三つギツネ」と呼び、その手下の
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大勢のハタレを殺すことになった。そのとき
【タマダチ】
魂(ﾀﾏ)を絶つ。悪い魂を断ち切ることだが、それは殺すことでもある。この後、アマテルカミの言葉にも出てくるが、「殺しなさいは」直接的過ぎるので「処罰」とした。
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カダが、ハタレの命を助けるように願い出た。皆が承知しなかったので
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カダが七度も、自分が責任を持つと
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誓うと、アマテルカミの一言でやっと許された。
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アマテルカミが言われた。「三人の首領と
【ミツヒコ】
「3人の男」くらいの言い方か。この３人は「アニヒコ、ナカヒコ、オトヒコ」と名付けられる。
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すべての配下の者どもに田畑の作物を
【ウケノミタマオ マモラセヨ】
ハタレに突然神を守る仕事をさせたのではなく、鳥を追ったりして田畑の作物を守るような仕事をさせたと考える。
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守らせよ。もしも言うことを守らなかったら
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その時は速やかに処罰せよ。
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これによって、末永く汝に
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従わせよう」。カダはアマテルカミの
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配慮を告げて、兄彦を
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ココ沢に留め、中彦は山背の
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ハナヤマ野に、弟彦は東の
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アスカ野に分け置いた。配下の者も三つに
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分け、それぞれの場所に行かせ、そこで田畑の鳥を
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追わせた。それからウケノミタマと
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ウケモチもカダが祭るようになった。
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シムミチやヰソラやヰヅナ達も