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【アマガツ】
大辞林には「古代、祓に際して幼児のかたわらに置き、形代として凶事を移し負わせた人形。後世は練り絹で縫い綿を入れて、幼児の這うような形に作り、幼児の枕元に置いてお守りとした這子(ほうこ)をいうようになった」とある。「アマガツ(天児)」は資料によれば立ち雛のように立っており、「這子」はいわゆる「はいはい人形」の形になっている。ホツマツタヱでは、アマテルカミが「這う子」に「アマガツ」という名を付けたので、「アマガツ」と「這う子」はもともと同じものだったのであろうか。
【サッサツノコヱ】
ホツマ文字の「サッサ」の「ツ」は促音を表す文字。和仁估本では「サ」と「ッ」の間に「‐」(ハイフン)が入っているが、ここでは省略した。この後の本文033にあるように「サッサッ」という掛け声または囃し言葉と考えられる。広辞苑に「さっさつ(颯颯)」の見出しで、「あっさりとしたさま。さらりとしたさま。」、「風の音。また風の吹くさま。」とあり、また大辞林には「人の態度が爽やかで勇ましいさま」とある。推測の域を出ないが、これらを総合して考えると、サッサツヅウタの囃し言葉の「サッサツ」が語源になったのではないだろうか。ちなみに大言海では、「サッサツ」が颯爽に変わったとなっている。
【モトオリ】
辞書的には「まわること。めぐること。まわり。へり」などとなっているが、文脈に沿って「始まり」と意訳した。
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アマガツをハヤアキツ姫が
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始めて作ったことによる。アマテルカミの皇子の
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ヲシホミミが君の位を
【タカノカフ】
ヒタカミ。
【サキコシ】
多くの訳では、「先越し」または「先輿」として、ハヤアキツ姫の嫁入りに先立って嫁ぎ先に行くこと、となっている。私は広辞苑の「輿の前方を担ぐこと。また、その人」とあるのを手掛かりに、ハタレ退治のとき袂下に幼子を連れてハタレ退治をしたというアマテルカミの故事にならい、后の魔よけとしてアマガツを輿の前方に据えたと考えた。
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アマガツを据えることをシホガマは
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まだ知らなかったので、カスガマロに
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そのようにするわけを訊いた。カスガマロが答えた。
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「これは、かつて、シラヒト、コクミらマスヒトが
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反抗したことがきっかけで、六つのハタレがあちこちに
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あふれかえり、民を苦しめました。
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その時に、アマテルカミの
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詔を受けて諸臣が討ちに行きました。
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ハタレのハルナの首領が
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計略にかけようとして、アマテルカミの気配を探ろうとしました。
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アマテルカミはそれに気づかれ、
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三歳の子どもをご自分の輦の中で
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袂の下に座らせました。子どもの気配が
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混じっているので、ハタレは不審に思い
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アマテルカミの気配が読み取れず、計略が狂ってしまいました。
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アマテルカミは天下を治めておられる
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威力によって、素早くハタレの
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気配を察知され、御歌を作って、
【サッサモチヰ】
「モチヰ」は餅のひとつ。粽(ちまき)のようなものとの説もあるがはっきりしない。「サッサモチヰ」は「サツサツヅウタ」を付けた餅と考える。
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付けて投げ込まれました。そのとき書かれたサッサツヅ歌
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『サスラはもとよりハタレらも、拠って立つ地を自ら捨てて
【ミツタラス】
8綾本文030でアマテルカミが「ハタレトハ アメニモオラズ カミナラズ」(天上にいる者でもなく、吾等の仲間でもない)と言っている。その上、土地も捨てたので、三つ足りないということ。
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手立ては尽きているゆえに、祝詞も太鼓も
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天には届かぬ。日・月と吾は
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この世を照らすさ』
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サッサツとみなが囃すのを
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聞いたハタレのハルナは、混乱して
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ついに捕まりました。故にそれからこの歌を
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サッサツの囃し歌として楽しむようになったのです。
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その時の子どもをアマテルカミの元に連れていくと
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まだ幼かったので、アマテルカミの前から
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這って去ろうとしました。アマテルカミは
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その子を褒めて、『汝、這う子の
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功績は諸臣よりも勝っていた。
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これからもずっと代々の君を守れよ』と言われて『神アマガツ』と
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名を授けられました。その話を元にして、
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アキツ姫は、布で作った
【カミウタ】
この後にある、アキツ姫が作った神アマガツに願いを込めた歌。
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チチ姫に差し上げました。これが
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輿の先に据える、災いを除く
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「アマガツ」となりました。もしも、人の妬みで
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身に災いが降りかかった時も、アマガツがそばにいると
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災いを免れることができます。もしも、恨みが
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人を悩ますことがあっても、アマガツがそばにいると