先頭の番号が青い行は、クリックすると解釈ノートが見られます。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
ミヲヤカミ ヒトニウマレテ
ミヲヤカミは、人として生まれ変わり、
【ミヲヤカミ】 アメミヲヤ(ミヲヤカミ)はアメノミナカヌシ(ミナカヌシ)となり、天に戻って次にクニトコタチに生まれ変わった。ここの神から人への記述は14綾本文048以降にも書かれている。
18-043 ウグメクニ トコヨノミチオ
秩序もなくうごめいている人々に常世の道を
18-044 ヲシユカミ クニトコタチモ
教えるクニトコタチとなった。クニトコタチも
18-045 ノリメクリ クコワニヤモオ
常世の道を説いて巡り、大地の色々な所を
ナニガタト ウムクニスヘテ
何々ガタとして拓いた。そこにできたクニのすべてが
【ナニガタト ウムクニスヘテ】 「カタ」は拓かれた土地そのものをいい、そこに作られた社会を「クニ」と呼んだのであろう。「スベテ」は「全て」か「統べて」か迷うところであるが、このときはまだ全部統一されていたとは考えられないので「全て」とした。
18-047 オノコロゾ クニトコタチノ
オノコロなのである。クニトコタチの
18-048 ヤクタリゴ ナニクニサツチ
八人の御子は何々クニサツチとして、
18-049 ヤモヌシト ナリテトホカミ
八地方のクニ主となった。それがトホカミ
18-050 ヱヒタメノ クニニウムコハ
エヒタメである。それぞれのクニで産まれた子等は
ミクダリノ キミトミタミゾ
三階級の君、臣、民のどれかになった。
【ミクダリノ キミトミタミゾ】 「キミ」はクニトコタチの子孫の中で統治者となった者。「トミ」は統治者以外の者。「タミ」は本文040に、ミナカヌシが「ヤオモニウメル ヒトハホシ ホシハタネナス」とある多くの人々。
18-052 トヨクンヌ モモアマルコモ
トヨクンヌのたくさんの子も
アメニユキ アナミノヤカミ
死後、天上の神となり、八人のアナミ神と
【アナミノヤカミ】 アナミ八神。モトアケのアメミヲヤを囲む48神のうちトホカミヱヒタメとミソフ(32)神を除くと8神が残る。すると14綾本文057の「アイフヘモヲスシ」と、この「アナミノヤカミ」は同じということになる。14綾064の「アナレ(神)」は文脈から「アイフヘモヲスシカミ」と同じなので「アナレカミ」と「アナミカミ」は同じということになる。
18-054 ミソフカミ ミコウビチニハ
ミソフ(三十二)神になった。トヨクンヌの御子のウビチニは
18-055 モモヒナニ サイアヒナシテ
モモヒナキの時にモモヒナミと結婚して
18-056 マサカキオ ウヱテカソウル
マサカキを植え継ぎ、それから、その年を元に年を数えている。
ムソトシノ ズワヱモムモニ
マサカキは六十年に一本若枝が生え、六百年で
【ズワヱ】 広辞苑には「スワエ」として「木の幹や枝から細く長く伸びた若い小枝」とある。
18-058 ソヱタオヱ ムヨトシチヱニ
十枝生える。六万年で千枝になり
18-059 ツキカルル ウヱツキヰモノ
寿命が尽きて枯れる。植え継いだマサカキは五百本目の
ノチノハツ ヰモツギアマノ
次の最初の木なので、それを『ヰモツギアマノ
【ヰモツギアマノ マサカキ】 五百継ぎ天のマサカキ。500本で3千万年。いろいろ計算をしている研究者もいるので、詳しく調べたい方はそちらを。私は、アマテルカミの話なので数字はそのまま訳すが、地の文では「長い年月」などとしている。
18-061 マサカキオ キミノミワザノ
マサカキ』と呼び、植え継ぐことは君の政の
18-062 モロトモニ マサカキフソノ
仕事のひとつとなった。マサカキが二十本を
アマルコロ ワイタメアラズ
超える頃、国の秩序がなくなり
【ワイタメ】 辞書には「けじめ、区別、差別」などとある。
18-064 フタカミノ ツキテアマネク
二尊が君の位を継ぎ、馬に乗ってクニの隅々まで
18-065 ノリメクリ タミノヲシヱハ
教え導いて巡り歩いた。民への教えは
スキクワヤ ツノアルナキノ
鋤や鍬を使うことや、角のある獣とない
【ツノアルナキノ ケタモノ】 馬と牛を家畜として使い分けることを奨励しているのだが、まるでダジャレである。
18-067 ケタモノオ ノリムマケレバ
獣で、角のない獣は乗りやすいので
18-068 ムマトナシ ノリウシケレバ
馬と呼び、角のある獣は乗りにくいので
18-069 ウシオシテ タノアラスキヤ
牛と呼んで田の荒鋤や
18-070 ニモツモノ カクゾミココロ
荷物を運ばせるというようにした。このようにたいそう御心を
18-071 ツクシモテ タミモヰヤスク
尽くされたので、民も住みやすく
18-072 ナスクニオ オノコロシマト
なった国をオノコロ島と
18-073 ナツクナリ トキニミマコノ
名付けた」。するとニニキネが
18-074 モフサクハ ミヲヤノメクル
聞いた。「ミヲヤカミの乗り巡る
18-075 ホオコホオ イマオノコロト
ホオコホという音が、今はオノコロと
18-076 ナマルカヤ カミノコタエハ
なまったのですか」。アマテルカミが答えた。
18-077 ホオコホハ マシルオトナリ
「ホオコホは色々な音が混ざった音なのだ。
18-078 ヨクキケバ クルマハギイン
よく聞けば、車の音はギインという音で、
18-079 ナルカミハ ホオロホオロゾ
ナルカミはホオロホオロという音だ。
コエノオハ コワニオサマル
音はしだいに大地に収まって消えるが、
【コエノオ】 「コエ」は声だけでなく音の全て。ここで使われているホツマ文字の「オ」は尾を表す。「コエの尾」は音が消えていく様を表しているのであろう。
ヲノヲシテ ノカゼニノレル
教えの言葉は野風のようにいつでも皆の心にあるのだ。
【ヲノヲシテ ノカゼニノレル】 直訳すれば「ヲの音が野風に乗った」だが、ホツマ文字の「ヲ」は、「教える」の用法に使われることがある(池田満氏)とすると、意訳すると「教えの言葉は消えることなく、人々の心の中に続くようになる」ということとを言っていると解釈した。「ヲシテ」は通常は書かれたものをいうが、ここでは音声と考える。
18-082 クツバミノ オトハコオコオ
轡の音をコオコオと鳴らして
18-083 フムアトノ ノニヒトウミテ
二尊は馬で通った後の野に人を住まわせて
ノルハノテ ネワニヨロコブ
野を耕す術を教えた。人々は耕せる土地を得て喜んだ。
【ネワニヨロコブ】 「ネワ」は4行前の「コワ」と対になった言葉と考える。「コワ」が固い土地の意味があるので、「ネワ」は「作物の生える柔らかい土地」という意味に捉えた。この意味につながる「ネ」には「根」しか見つからないので、みなさんの知恵をお借りしたい。
ネワハコテ ヒトナルミチハ
また二尊は土地を肥やす術を教えた。そして人の生き方を
【ネワハコテ】 この特殊ホツマ文字の「コ」は池田満氏によれば豊かに肥える意味がある。
トオモチヒ ソノモトハロテ
トの教えにより教えた。その元になるのは農耕の術を教えることであった。
【ソノモトハロテ】 「ロテ」は「ノテ」「コテ」と同じように「ロ」をする術と訳せるが、「ロ」が分かりにくい。これまでの文脈から「人の生き方」のもとになることとして「ロ」を「ソロ」の略と考え、農耕と解釈した。
ヲノコロノ ヨツハワニアヒ
このようにしてヲノコロの四つの教えは大地に行き渡り、
【ヲノコロノ ヨツハワニアヒ】 「ヲ」は「ヲノヲシテ」、「ノ」は「ノテ」、「コ」は「コテ」、「ロ」は「ロテ」の四つ。これが大地に適合した、すなわち人々の間に行き渡ったということ。