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20-000 20スメミマコトグサヱルアヤ
皇孫、十種宝を得る綾
20-001 フソムスス ソムヱヨソヒホ
二十六スズ、十六枝、四十一穂
20-002 トシキヤヱ ヤヨイカスガノ
キヤヱ、三月、カスガが
20-003 トシヲイテ マツリヤスマン
「年をとったので政から身を引きたい」と
20-004 コトワリニ アマテラシマス
申し出たので、君の
20-005 オシホミミ ミコハクシタマ
オシホミミは皇子のクシタマ
20-006 ホノアカリ イミナテルヒコ
ホノアカリ、諱テルヒコを
20-007 クダサント チチミツカラノ
代わりにアシハラクニへ行かせようと、自分の
20-008 ツゲフミオ カクヤマシカニ
書状を、カクヤマを勅使として
タテマツル フミニモフサク
アマテルカミに届けた。書状で
【タテマツル】 君の立場であるオシホミミが「タテマツル」のだから相手はアマテルカミ。人事についてアマテルカミの承諾を得ているということは、実権はアマテルカミにあったのではないか。これがウガヤフキアワセズの代まで続いたのである。
ミヅカラガ アシハラクニオ
「自分がアシハラクニを
【アシハラクニ】 16綾本文022に「ナカクニノカスガ」とあるが、ナカクニとアシハラクニは今の近畿地方とほぼ同じと思われる。
20-011 ヲサメント ヨソフマニタミ
治めようと旅立つ支度をしている間に、民が
20-012 アツマリテ ヒタトトムユエ
集まってきて、ひたすら我を止めるので
20-013 テルヒコオ クダスベキヤト
テルヒコをアシハラクニへ行かせるべきでしょうか」と、
20-014 ウカガヱバ イセノヲンカミ
伺うと、アマテルカミが
20-015 キコシメシ ユルセバシカノ
読まれ、許されたので、勅使のカクヤマは
カエコトス ココニトヲヤノ
帰ってそのように報告した。そこで外祖父の
【ココニトヲヤノ アマツカミ】 「トヲヤ」は外祖父。「トヲヤノアマツカミ」は外祖父であるアマツカミ、すなわちタカミムスビと読める。すると、授けた宝はタカミムスビの神宝のように読めるが、27綾本文049以降で、クシタマホノアカリの没後、アマテルカミがニギハヤヒをホノアカリの養子として後継ぎにし、十種宝を譲り渡している。それは29綾本文215でナガスネヒコが言った「アマテルカミノ カンタカラ トグサオサズク」から分かる。
20-017 アマツカミ トグサタカラオ
タカミムスビは、アマテルカミの十種宝を
20-018 サツケマス オキツカガミト
クシタマホノアカリに授けた。オキツ鏡と
20-019 ヘツカガミ ムラクモツルギ
ヘツ鏡、ムラクモの剣、
20-020 ウナルタマ タマカエシタマ
ウナル玉、魂返し玉、
20-021 チタルタマ ミチアカシタマ
チタル玉、道明し玉、
20-022 オロチヒレ ハハチシムヒレ
オロチ領布、ハハチシム領布、
20-023 コノハヒレ コノトグサナリ
コノハ領布、これが十種の宝である。
20-024 イタムコト アラバヒフミヨ
「人が亡くなったときは、一、二、三、四、
20-025 ヰムナヤコ トマデカゾエテ
五、六、七、八、九、十まで数えて
20-026 フルヱタダ ユラユラフルヱ
振るがよい。ただユラユラ振るがよい。
20-027 カクナセバ スデニマカルモ
そのようにすると、すでに亡くなった人も
20-028 ヨミカエル フルノコトゾト
蘇るという昔からのまじないの言葉である」と
20-029 ミコトノリ ナカクニノカミ
アマテルカミの詔があった。ナカ国の臣達が
20-030 コバマンオ フセグトモカミ
拒むかもしれないのでそれを防ごうと伴の者たちが付いて行った。
20-031 カグヤマハ ヤマスミノフコ
カグヤマはヤマスミの第二子、
20-032 フトタマハ ミムスビノミコ
フトタマはタカミムスビの第三子、
20-033 コヤネトハ カスガドノノコ
コヤネはカスガ殿の子、
20-034 クシタマハ ミムスビノヨコ
クシタマはタカミムスビの第四子、
20-035 ミチネトハ カンミノヒマコ
ミチネはカンミムスビの曾孫、
20-036 カンタマハ ヤマスミノミコ
カンタマはヤマスミの第三子、
20-037 サワラノハ アカツチノマコ
サワラノはアカツチの孫、
20-038 ヌカドトハ カガミツコノコ
ヌカドトはカガミツコの子、
20-039 アケタマハ タマツコノコゾ
アケタマはタマヅコの子、
20-040 ムラクモハ ミチネガオトト
ムラクモはミチネの弟、
20-041 ウスメヒコ ミケモチノマコ
ウスメヒコはミケモチの孫、
20-042 カンタチハ コモリノハツコ
カンタチはコモリの第一子、
アメミカゲ タタキネノオコ
アメミカゲはタタキネの御子、
【オコ】 アマテルカミの孫にあたる人物には敬称の「オ」が付いている。
20-044 ミヤツヒコ カナサキノミコ
ミヤツヒコはカナサキの第三子、
20-045 ヨテヒコハ コモリノヨツコ
ヨテヒコはコモリカミの第四子、
20-046 アメトマミ ヌカタタノオコ
アメトマミはヌカタダの御子、
20-047 アマセオハ カンミノヤサコ
アマセオはカンミムスビの玄孫、
20-048 タマクシハ セオノイトコゾ
タマクシはアマセオの従兄弟、
20-049 ユツヒコハ サワラノノオト
ユツヒコはサワラノの弟、
20-050 カンタマハ タマクシノオト
カンタマはタマクシの弟、
20-051 ミツギヒコ カンタマノオト
ミツギヒコはカンタマの弟、
20-052 アヒミタマ タカギノヨツコ
アヒミタマはタカギの第四子、
20-053 チハヤヒハ ヨテノオトヰコ
チハヤヒはヨテヒコの弟でコモリの第五子、
20-054 ヤサカヒコ コモリノヤツコ
ヤサカヒコはコモリの第八子、
20-055 イサフタマ ツノコリノコゾ
イサフタマはツノコリの子、