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【ヤマウミト トミコトタマハ】
「ヤマウミトトミ」は「山海と富」と読み、山海とそこから得られる産物や財産などの恵み、「コトタマ」はそれらにたいする「言魂」すなわち感謝や祈りの言葉と解釈した。
【ハニスキ】
ユキの宮は天神、スキの宮は皇神を祭り、「ハニスキ」は大地・海・山など地上の神々を祭る。
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民の幸せを祈る」
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後に、君とタマヨリ姫はタダスの
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殿で政を執られ、国の隅々まで政が広く行き渡ったので
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民の暮らしは豊かになった。スズの木が枯れると
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植え継いで、大変長い年月が経ったが
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今なお民の暮らしは豊かである。四十九スズ、
【ハツホキアヱ】
「初穂」はキアヱ暦の最初の年ということを表わしている。
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一月三日にアマノコヤネが君に申し上げた。
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「君は今、ミヲヤの道によって
【ヒトクサノヲヤ… 】
この部分はアマテルカミの言葉をそのまま言っている。
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天地の神も降って敬われるので
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神の御親でもあられます。ところが、世の中全ての御親であられる君に
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後継ぎの皇子がおりません。十二人も妃がいらっしゃるのに
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どうしたことでしょうか」すると君は言われた。
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「そのことは吾も常々思っている。長い年を過ごしてきたが
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子どもができないのだ」コモリが
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「それには世継ぎの文があります」と言ったので、
【アマノオシクモ】
アマノコヤネの子。
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社を造らせた。社が出来上がるとオシクモが言った。
【ナアテナシ】
「名当て無し」、該当する者の名が分からない。
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占った。「ヤセ姫がよいでしょう。
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八と一と五が表れたので、その中の八を使います。
【シノハラ】
フトマニに「シハラ」として「シノハラハ カミノフシミノ タマクシオ アミノメクミノ ミヤコタツナリ」とある。該当しそうな漢字を当ててみると「シノハラは 神の伏し身の魂奇しを 天の恵みの 都発つなり」となりそうだが、これでも意味不明。そこで「シノハラ」の「ハラ」に「孕む」の意味を持たせ、「ミヤコタツナリ」の「ミヤコ」は、天の恵みを与えられる「ミ(身)」は、「ヤ(ヤセ姫)」の「コ(子)」としてみた。「ヤヒノヰハ ナカノヤトナル」にしても、なぜ「八」を選ぶのか解らない。現代でも多分にありそうだが、占者は占う事柄の情報を事前に収集していたのではないか。初めからヤセ姫を頭に置いていたとすれば、「八」を選んだのも、フトマニの中にヤセ姫を選ぶ言葉があるとしたのもうなずけるのではないか。
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「ヤ」の局です。ヤセ姫は妃の中でも中ほどの
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位のウチメです」年もまだ若い
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ヤセ姫を十一人の妃も
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みな祝福した。オシクモは身を清めて
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世継ぎの社に籠もって祈ると、兆しが表れて
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ヤセ姫は身籠ることができ、十五か月で
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イツセ皇子をお産みになった。ところがヤセ姫は宮に
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入ると間もなく亡くなり、
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イツセ皇子に飲ませる乳がなく、触れを出して乳母を探した。
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かつて、カモタケスミと
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イソヨリ姫との間に長いこと
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子どもが生まれなかったので、ワケイカツチ神に
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祈った夜、神から玉を頂く夢を見て、
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姫が生まれ、その「タマ」を付けて、名をタマヨリ姫とした。
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生まれてから大事に育てたが、姫の歳が
【ソヨススニ】
「スス(スズ)」はこれまで暦の年をいい、1スズが6万年で、文中では長い年月を表す語として扱ってきた。ここでは「ヨハヒ (齢) 」とあるので、「ソヨスス」は14歳とした。
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亡くなり、河合の神として祭られた。
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タマヨリ姫は喪祀りを済ませ、
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ただ一人でワケイカツチ神の社に
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再び詣でた。木綿の幣を奉げていると
【ウツロイ】
ここでのウツロイは、その辺にいる素性のはっきりしない人物。
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「若い女一人で詣でるとは、ワケイカツチ神にでも
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仕える気なのかね」タマヨリ姫が「違います」と答えると
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また訊いた。「夜はワケイカツチ神と過ごすのかい」と言った。
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姫が言い返した。「何者のつもりで
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我をそんなに侮辱するのか。我はワケイカツチ神の子なのだ。