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続く徴(ｼﾙｼ)とせよ」
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これ以前に君は、ハラ朝間宮のオシクモを
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宮に呼び寄せた。弟のヒタチは
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若いのでアワの国の事代主が
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ヒタチの補佐をした。ハラ朝間宮からの依頼により
【ハラカラナレバ ニシヒカシ】
「ハラカラ」は「ハラから」すなわち「ハラ朝間宮から(の依頼)」。兄弟という意味ではない。
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西のアワ宮と東のハラ朝間宮を行き来して仕事をし、
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重要な役割を果たした。それ故ツミハ八重事代主と称えられた。
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事代主は三島を経て
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ハラ朝間宮に行ったり、三島から
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伊予に行ったりしている間に
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ミシマミゾクヰの娘のタマクシ姫と結ばれた。
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タマクシ姫が身籠り、鰐船に乗ってアワの国へ
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帰る途中で生まれた子は
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諱ワニヒコ、クシミカタマである。
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次に生れた子は諱ナカヒコ、
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クシナシである。後にオオナムチがクシミカタマを青垣殿に
【アオカキトノニ スマシムル】
二人の子のうちクシミカタマを住まわせたとしたのは、この文に続く「サキニ」からの回想の本文301以降で、オオナムチがクシミカタマを養子にして三諸山のそばに住まわせたということによる。奈良盆地の東部の丘陵地帯は古くから「青垣山」と呼ばれ、その中に三諸山(現在は三輪山)があるので、三諸山は青垣山と同一のものとした。
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住まわせた。以前筑紫を治めていた
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カンダチはソヲの船津の
【カンダチ】
４代目大物主。
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フトミミ姫とヤスで結婚して
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フキネが産まれた。その後夫婦は二人とも
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亡くなった。そこで次の大物主に
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フキネがなり、トヨツミヒコと二人で
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筑紫を治め、農作業の仕方を教えたので
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民も増えた。その後一人で筑紫を治めていた
【ヒトリオサムル オオナムチ】
フキネが「オオナムチ」と名乗るのは、９綾本文137で、代々「ヤシマシノミノオホナムチ」と名乗ることが認められているから。トヨツミヒコと二人で治めていたが、ここには「ヒトリ」と書いてある。トヨツミヒコはソヲを治めに帰ったのだろうか。
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オオナムチ(フキネ)は自惚れて
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「葦原の北から南まで、初めは荒れ放題だったが
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岩のような木の根もみんな伐り倒し
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農地を拓いた我のような者はこれからずっと先までも
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誰も現れないだろう」と言うと、海原が光って
【ウナバラヒカリ アラハレテ】
これから先の「先御魂」との会話は５代目オオナムチ、フキネの自問自答としてとらえた。青垣山に住もうと思ったことから、頭に浮かんだ先祖はクシヒコか。
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現れた者が「我がいたからこそ
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汝は殆どの
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功績を立てることができたのだ」と言った。オオナムチが聞いた。
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「汝は誰だ」「我は汝の
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先御魂である。霊妙なる業魂である」
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「さて、承知しました。先御魂を祭ろうと思うが
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どこに祭りましょうか」「いや、神は祭らなくともよい。
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汝を青垣山に
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住まわせようと思う。宮を造って
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そこに住め。世継ぎの子どもがいないと
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世の中が乱れるぞ。事代主の
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子の兄弟のうちクシミカタマを
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願い迎えて、世継ぎとせよ」
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その教えにより、三諸山のそばに
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殿を造り、コトシロヌシに願い
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クシミカタマを養子に迎えた。クシミカタマと
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自分の妻のサシクニワカ姫を
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一緒に住まわせて、大物主は
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筑紫を治めた。亡くなる前に
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自分の最期が近いことを知らせると妻と子が来たので
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遺言を告げた。「この叢雲の剣は
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お生まれになった皇子に、お祝いとして
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差し上げよ」と言い残して、フキネとサシクニワカ姫の夫妻は
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亡くなった。ヤスに二人の遺骸を納めて
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祀った後に、クシミカタマに筑紫の勅使をするように
【ツクシヲシカ】
「勅使」と訳したが、君の命によって筑紫を治める役人のこと。