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【タマカヱシ】
亡くなった者のタマを天界に返す儀式。魂は、天から下されたタマと地上にあったシイに分かれていて、タマの緒によって結ばれて魂になっている。この世で生き方が正しくなかったり、残念な死に方をしたりした時、その人の魂の緒が乱れてタマが天界に戻れないで苦しむと考えられていた。
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アマテルカミが世の中を治め
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尊い威光で民の暮らしも豊かになり、
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長い年月(二十三万二千三百八十二年)を
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経ても御心は安らかで
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御様子もなお若々しくて
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おられる。今年二十四本目の
【サクスズ】
真榊は1000枝(60000年)で枯れるとされている。28綾本文009以降に詳しく書かれている。
【フシニアタレハ】
真榊を植えかえる年を「節の年」という。その隙間に悪いことが忍び込むと思われていたと考えられる。
【ネノクニト サホコノクニノ マスヒトガ ウチノシラヒト】
「ネノクニト サホコノクニノ マスヒト」はこの二つの国のマスヒトだったクラキネ。シラヒトは義理の関係なので「シム」(血族)ではなくて、縁者として「ウチ」と呼んだのではないか。
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マスヒトであったクラキネの縁者のシラヒトと
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コクミ達が母親のサシミメを犯し
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子のクラコ姫も犯す重罪を犯すという出来事が起きたが、
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ネの局の二人の姫(モチコ・ハヤコ)の
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関わりにより減刑されると、アメオシヒが二人を臣として召し抱え
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国を治めた。しかし、二人は賄賂を取り、
【オロチニ ナメラレテ】
「オロチ」を7綾本文110では「大蛇のように執念深く」と訳したが、ここでは「オロチ」はそのようになったモチコ・ハヤコを指している。
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操られて、国の規律が崩れた
【ハタレ】
徴(ハタ)る「催促する、とりたてる」が語源のようで、人の物を無理やり奪うような人達を指す。ここで出てくるハタレは、シムミチ、ハルナハハミチ、ヰソラミチ、ミダルキクミチ、ヰツナミチ、アヱノミチの6集団ある。
【サハイノコヱ】
「サハイ」は五月蝿。数が多いさまや、うるさいさまを比喩的に表す。
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恐ろしい状態に陥った。ココサワ山から
【ハヤキキス】
「キギス」はキジの古名。ここでは使者。
【ヒナグルツゲ】 機織りのとき、経糸の間に横糸を通すのに使った杼は素早く頻繁に左右に投げ渡された。
【ヒナグルツゲ】 機織りのとき、経糸の間に横糸を通すのに使った杼は素早く頻繁に左右に投げ渡された。
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宮中では協議をした。
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進み出たタケミカヅチは
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身の丈が十六丈もあり、万人に勝る
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力を持っていたが、ハタレを知らなかったので
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どうしたら討てるのかと言った。左の臣の
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カナサキもどうしたらよいかわからないので、
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伺うと、アマテルカミが
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話された。「吾はいくらか彼らの実態を知っている。
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ハタレとは天上にいる者でもなく
【カミナラズ】
ここでいう「カミ」はアマテルカミの統治下の人々を指す。この時代は、人はアメミヲヤに始まるクニトコタチの子孫だと考えられていたので「カミ」と呼んだのであろう。
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極めて強い人間が集まって、六つの
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ハタレの集団になったものである。ニシキオロチの
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シムミチとハルナハハミチ、
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ヰソラミチ、ミダルキクミチ、
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ヰツナミチ、雷を操るといわれる
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アメヱノミチの六つである。彼らは皆おのれの精魂の
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限りを尽くし、自分の技で精も根も尽きてしまう。
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奢って燃え上がっている心にも、一日に何回か
【ナヤミアリ】
この後、アマテル軍はハタレ達と戦うが、多くは食べ物を与える作戦で捕えているので、ハタレ達の悩み、すなわち弱点は「空腹」と想像した。アマテルカミはこの弱点を突く作戦を立てたのではないだろうか。
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吾等に備わった力で払い除けば
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自ずからハハミチもイソラをも
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押し返し、相手の射る矢は当たらず、
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吾等の矢は必ず当たる。
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ハタレ達のたくらみは見破れるであろう」。
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フツヌシが、ハタレを討つ手立てを聞くと
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カナサキの翁が答えた。
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「私もその手立ては分かりません。ただ慈愛の心を持って当たるのが
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アマテルカミのお心でしょう。心を素直にして当たれば