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ミツシレリ タトヒイソラモ
『カガミ』の三つの意味がよく分りました。実は、私はハタレのイソラや
【ミツシレリ】 八咫の鏡の「カ・ガ・ミ」の意味すること。タチカラヲは力自慢で、ハタレを退治することがよいことだと思っていたが、話を聞いてそれだけではだめだということに気付いたのだろう。
17-350 タツイヌモ ヒシグココチデ
タツやイヌ等でも退治しようと思って
ハンベリキ コモリタウタオ
ここに居たのです」と言った。コモリはタ歌を
【タウタ】 治療に関する歌。
17-352 カンガエテ フクシノヤマヒ
考えて述べた。「フクシ(皮膚)の病は
17-353 タシヤスシ ナサケトアヂノ
治しやすいが、恋慕の情と食欲が
17-354 スギヤムモ ネニイラヌマヨ
過ぎて病んだ時は、寝込まないうちに
17-355 ハヤイヤセ ヒトワザモコレ
早く癒しなさい。人の行いについても同じことが言えます。
17-356 イロホレモ ミチモテナセバ
色恋も、道理をわきまえてすれば
17-357 アヤマタズ ヨコヨラバヤム
間違いを起こしません。道を外すと病んでしまいます。
17-358 ホシキオモ イヱワザナセヨ
欲にかられても、家を保つ術は考えなさい。
17-359 トボシクト ヌスマバカルル
貧しいといって、盗めば家がつぶれます。
トミツネニ ヒトノイキスオ
我が常に人の息使いを
【ヒトノイキス】 この後に書かれているように、胸がドキドキしたり心が動転したりすれば、当然息遣いに現れる。心の内は息遣いに現れるのである。
カンガエバ ダマスハフクシ
観察すると、人をだましている者は顔色に出ます。
【ダマスハフクシ】 「フクシ」はこれまで皮膚と訳してきた。ここでは特にその中でも目立つ顔の皮膚の色。「顔色」を訳とした。
17-362 イロムラト ヌスメバキモヱ
欲情は声に表れます。盗むと胸がドキドキし
17-363 ソコナエバ オトロクナカゴ
人を殺めれば、心が動転します。
17-364 ミメニシリ コトバイキスノ
顔に表れ、言葉でわかり、息使いで気づかれるという
17-365 ミツシレバ ツタエミチビキ
三つのことがよく分かったので、それを民に伝えて善い方に導き、
17-366 ソロコヤシ タミニギハサン
穀物を実らせ、民を豊かにしようと
17-367 チカヒノミ トキニアマテル
お誓いするのみです」。するとアマテルカミが
17-368 ミコトノリ ムベナリナンヂ
言われた。「汝のいうことは全くその通りだ。
17-369 ヨモメグリ ツチカフミチニ
国のあちこちを巡って、民に物事を教え育て
17-370 カテフヤシ イトマアラセデ
食べるものを増やし、寸暇も惜しんで
17-371 クニメグリ ヨノアシハラモ
国々を巡り、世の中の芦原にも
17-372 ミツホナル カミノミウタニ
稲が実るようにした二尊の御歌に
17-373 ツチカフハ ミノアシハラモ
『耕せば、水の溜まっている芦原にも
17-374 ミツホナル タミトナセトミ
稲が実る。臣は民と一緒に働くがよい。
17-375 トミトナレタミ      
民は臣となれるように精を出すがよい』とあるぞ」
17-376 モロヒトニ アマノコヤネノ
話を聞いていたみなにアマノコヤネが
17-377 モフサクハ ミウタノアヂハ
言った。「二尊の御歌の奥深さは
17-378 スエスエノ タミモミチビキ
それから先ずっと民も導き、
17-379 スナオナル ワザモヲシヱテ
民はまじめに働きました。二尊が仕事の仕方も教えて
17-380 ツチカエバ イヱモサカエテ
民を育てたので、民の家も栄えて
17-381 ソロフヱル ミヅホトナセル
収穫も増え、実り豊かな瑞穂の国となったという
17-382 カミウタゾ カクノヲシヱニ
神歌です。この教えで
17-383 ミチビキテ タミモイヤスク
導いて、民も安らかに暮らし
17-384 ニキハセテ ソノクニタモツ
豊かになるような、その国の役に立つ
17-385 モノアラバ スエタミトテモ
者がいれば、地位が低い民であっても
ウエノトミ カナラズヲシテ
上の位の臣になれるように、必ずヲシテを
【カナラズヲシテ タマフナル】 「ヲシテ」は民を臣に引き上げるとする文書。
17-387 タマフナル ミウタナリケリ
くださるという御歌なのです」。
17-388 カケマクモ イトオソレミノ
言葉にするのも大変畏れ多い
17-389 オンウタト ミチトミヒコモ
御歌と、たくさんの臣たちが
17-390 モロコエニ ヤモヨロタミハ
声をそろえて讃えた。大勢の民が
17-391 モモチコエ アナアリカタヤ
一斉に声を合わせて「ああ、ありがたい。
17-392 アナニヱヤ アナウレシヤト
何て素晴らしいことだ。ああうれしい」と言って
17-393 オカミサル ヤタノカガミノ
アマテルカミを拝んで帰った。「八咫の鏡の
17-394 ミナノアヤ イトメグミナリ
御名の教え」の素晴らしい恵みである。
17-395 アナカシコアナ      
なんと畏れ多いことであろう。
17-396 アナニヱヤ アナウレシヤト
「何て素晴らしいことだ。ああ、嬉しい」と
17-397 ヲカミサル ヤタノカガミノ
アマテルカミを拝んで帰って行った。八咫の鏡の
17-398 ミナノアヤ イトメグミナリ
御名の教えの素晴らしい恵みである。
17-399 アナカシコカナ      
なんと畏れ多いことであろう。