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21-047 ミコトノリ ナンチウケベシ
オコロに詔を下した。「汝オコロ、吾の言うことを受けよ。
アメノカミ ヤマサオウミテ
二尊がヤマサ神を創られて
【アメノカミ】 22綾本文029には「アメフタカミ」とあり、それは二尊のこと。ここにも同様の内容が詳しく書かれているので、「アメノカミ」も二尊とする。
ミカマモリ オフカンヅミハ
竈を守る役を司る神とし
【ミカマモリ オフカンヅミ】 「ミカマモリ」は竈を守る、すなわち家や、家庭を守るということ。今日でも「竈が賑わう(暮らしが豊かになる)」「竈を起こす(独立して一家の主人になる)」「竈を破る(破産する)」などと使われている。「ミカマモリ」に続く「オフカンヅミ」は「オフカンヅミ」という語ではなく、「ミカマモリ オフ」と「カンヅミ」に区切って解釈した方がよいと考える。「御竈を守る役を司った神、すなわちヤマサ神」と考える。
21-050 ハニシキテ マツルヤツクリ
敷地を治め、宮造りの祭りをしたので
21-051 シコメナシ ヱトノイクシマ
宮に穢れがなかった。汝ら兄弟にもイクシマ、
21-052 タルシマト カミナタマエハ
タルシマという民としての名前を授けるので
21-053 モリモナシ ワガニヒハリノ
宮の守りをせよ。我が新治の
21-054 アラヤタツ ナカツハシラノ
新宮を建てている中柱の
ネオカカエ マタヨトコロノ
根元を見守り、また四方の柱の
【ネオカカエ】 この後に「コタソコニアリ」など、まるでモグラが地中にいるような表現が続くが、イクシマ、タルシマは人間なので、人ができることとして訳した。
21-056 モリモカネ トモニマモレヨ
見守りも兼ねて、二人で護るがよい。
ハルカマト コタソコニアリ
春の竈の祭りでは、竈から九咫の範囲を護り
【ハルカマド コタソコニアリ サオムキテ キマクラニフセ】 以下、夏秋冬と同様の繰り返しが続くが、どういうことなのか分かりにくい。モグラと「ソコ」との関連で「ソコ」は「底」がまず頭に浮かぶ。直訳すると「春竈、9咫底にあり、南を向きて、東枕に伏せ」となり、人として扱っている者に「地下九尺にいろ、南を向いて東を枕にして寝ていろ」ということになって、解釈不能である。そこで、私は「トモニマモレヨ」の「護る」と言う言葉との関連で「ソコ」を要害の地の内外を隔てる所という意味の「塞(ソコ)」と解釈した。「コタ」は9咫。するとカマドから九咫の範囲を護るというように解釈できる。「キマクラ」は伏した時頭が東に向いて下がるか、地に着くかすることと捉えた。本文065に「ハラセクビアシニシタガフ」とあるのはこの時の作法の注意と考えると、このような一連の作法の指示と解釈できないだろうか。
21-058 サオムキテ キマクラニフセ
初め南を向き、次に東を向いて伏して礼をせよ。
21-059 ナツハカド ミタソコニアリ
夏は門口の祭りをし、門口から三咫の範囲を護り
21-060 ネニムキテ ツマクラニフセ
初め北を向き、次に西を向いて伏して礼をせよ。
21-061 アキハヰド ナタソコニアリ
秋は井戸の祭りをし、井戸から七咫の範囲を護り
21-062 キニムキテ サマクラニフセ
初め東を向き、次に南を向いて伏して礼をせよ。
フユニワド ヒタソコニアリ
冬の厠の祭りでは、厠から一咫範囲を護り
【ニワド】 本文252に「コワオニワトス カレニワヤ」とあり、「ニワヤ」を厠と訳した。「ヤ」と「ド」の違いがあるが、宮の中の守るべきところとして、厠と考えた。
21-064 ツニムキテ サマクラニフセ
初め西を向き、次に南を向いて伏して礼をせよ。
21-065 ハラセクビ アシニシタガフ
上体は足の向きに合わせよ。
イシヅヱニ シキマストコオ
国を治める礎となる宮を
【ヰシヅヱニ シキマストコオ】 「礎に敷きます所」と読んで「土台の上に敷いた所」すなわち「宮の建物」と読み取れるが、「シキマス」には国を治めるという意味があるので、「国を治める礎となる宮」とした。
イカスレト オコロノカミト
守りなさい」と、オゴロノカミと
【イカスレ】 広辞苑に、「いかすりのかみ」として大宮所を守る神とあり、この説を用いた。
21-068 ナオタマフ ヨヨイカスリテ
名前を授けた。オゴロノカミは、それから代々
21-069 アラヤモルカナ      
新しい宮を守る神となった。
21-070 ミヅガキオ トシヨツニワケ
「瑞垣の一周りを一年とし、四面に分けて
21-071 トハトウカ ヒカタニコカド
一つの門を十日とすると、一つの面に九門立ち、
ニガマダラ ヒフミニシルス
それぞれを、「ニ」・「ガ」・「マダラ」と順番に記します。
【ニガマダラ】 「ニ」は「明るい・良い・正しい」、「ガ」は「暗い・悪い」、「マダラ」は「斑」
サノキヨリ アカツキノアハ
南面の東より、「暁の門は、
【アカツキノアハ】 「アハ」のホツマ文字の「ア」は天、天君、宮中などを表す。この場合は門を指していると思われるが、「ア」と門とが結びつかない。それぞれの門に名前を付け、その二本の門柱の間に名前が表わす天の力(ア)が働いているというように考えたとは言えないだろうか。用向きによって通る門を選んだのではないかと思われるが、実際にどのようにしたのかは見当がつかない。それらを包含した端的な訳語がないので、ここでは「門」としておく。
ニノタカラ クラヤメノアハ
ニの宝」「暗病めの門は、
【ニノタカラ】 「ニ」(明るい・良い・正しい)ことは身の「タカラ」(宝)とでも訳せようか。これ以降の項目は、門の名前と結びつけて「おみくじ」の解釈のように読み取っていただきたい。
ガニヤメル ヒワカレノアハ
ガに病める」「日別れの門は、
【ヒワカレ】 日に別れる、すなわち日没。
21-076 ガノハナレ ヒノイデノアハ
ガの離れ」「日の出の門は、
21-077 ニノイハイ ハナヤカノアハ
ニの祝い」「華やかの門は、
21-078 ニノミヤト テリアレノアハ
ニの宮人」「照り荒れの門は、
21-079 ナカオビエ ガニナスノアハ
中怯え」「ガに為すの門は、
21-080 ガニソコネ アキラカノアハ
ガに損ね」「明らかの門は、
21-081 ニノヨロシ ホシテルノアハ
ニのよろし」「星照るの門は、
21-082 ニノヒカリ サノコカドコレ
ニの光」南の九門は以上です。
21-083 ツハサヨリ アキラカノアハ
西面は南より、「明らかの門は、
21-084 ニノヨロシ クラヤメノアハ
ニのよろし」「暗病めの門は、
21-085 ガニヤメル カオウルノアハ
ガに病める」「カを得るの門は、
21-086 ニミタカラ アカツキノアハ
ニ御宝」「暁の門は、
21-087 ニノタカラ アカルキノアハ
ニの宝」「明るきの門は、
21-088 ニノイノチ アケボノノアハ
ニの命」「曙の門は、
21-089 コノタカラ マツクラノアハ
子の宝」「真っ暗の門は、
21-090 ガノウレヒ ヒルノヒノアハ
ガの憂い」「昼の日の門は、
21-091 ニニミツル ツコモリノアハ
ニに満つる」「月籠もりの門は、
21-092 ガニキユル ツノコカドコレ
ガに消ゆる」西の九門は以上です。
21-093 ネハツヨリ メクルヒノアハ
北面は西より、「巡る日の門は、
21-094 ニモメクル アカルキノアハ
ニも巡る」「明るきの門は、
21-095 ニノイノチ ハナヤカノアハ
ニの命」「華やかの門は、