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ミソムメノ トノカミヰマス
三十六代目のトの神がおられる。
【ミソムメノ トノカミヰマス】 「36代目のトの神」とは誰か。この文の前で二尊がトの教えで国を栄えさせたことが書かれ、この後でもトの教えについて述べており、「ナカハシラ」が立っているとも書かれているので、トの教えで国を治めた二尊を指していると考える。私は二尊が36代目であるということまでは分からないが、アマテルカミは36代目であることを知っていたのであろう。
ソノウラガ ナカハシラタツ
その後ろに中柱が立っている。
【ナカハシラ】 天より地上につながっていて、神から与えられるものが降りてくる柱のようなものがあると信じられていた。
23-052 クニノミチ アメヨリメグム
吾が、国を治める道理は天より下された
トノカミト ムネニコタエテ
トの神の教えだと肝に銘じて
【トノカミト】 和仁估本では「ト(ト) 」と「ノ(ノ) 」を重ねたようなホツマ文字となっていて「ノ」とルビが振ってあるが、文脈からすると「ノ」と考えられる。
23-054 マモルユエ ヒトノナカゴニ
守ったので、吾の心と人々の心が
23-055 アイモトメ ヒトツニイタス
共感し、すべての人々の心がまとまったのだ。
23-056 トノヲシエ ナカクヲサマル
トの教えは、長く国が治まる
23-057 タカラナリ アメノヒツギオ
宝である。君の位を
23-058 ウクルヒノ ミツノタカラノ
引き継ぐ日に受ける三種の神宝の
ソノヒトツ アメナルフミノ
その一つの世を治めるための文の
【アメナルフミ】 トの教えのこと。
23-060 ミチノクソコレ      
奥義はこれである。
23-061 マタホコモ タカラノユエハ
また矛も宝だという訳は次のとおりである。
23-062 トノミチニ クニヲサムレト
トの教えで国を治めても
23-063 ソノナカニ ヨコキクモノハ
人々の中にいる邪悪なことに敏い者は
23-064 オノガミニ アワネハミチオ
自分に合わなければ道理に
23-065 サカニユク ヒトリモトレハ
従わないで逆らう。一人が道に叛けば
23-066 トモオマシ ムレアツマリテ
仲間を増やし、群れ集まって
23-067 ワタカマリ ミチサマタゲハ
不平不満を言う。トの教えを妨げる者がいれば
23-068 メシトリテ タダシアカシテ
召し捕り、糺して罪を明らかにし
23-069 ツミオウツ ヲサムルミチノ
罰する。矛は国を治める道理を
ミタレイト キリホコロハス
乱す者を斬って滅ぼす
【ミタレイト】 乱れた糸。本文123以降に政治を機織りに例える話が出てくる。
23-071 ウツワモノ アメノヲシヱニ
道具である。天下の道理に
23-072 サカラエハ ミニウクアマノ
逆らうと、その身に受けることになる天の
23-073 サカホコゾ クニミタルレハ
逆矛(刑罰)なのである。国が乱れると
23-074 タモアレテ ミヅホノボラズ
田も荒れて稲穂も実らず
23-075 マズシキオ ツミビトキリテ
民が貧しくなるが、罪人を斬って
23-076 タカヤセハ ミヅホノナリテ
民が田を耕せるようにすれば、稲穂が実って
23-077 タミユタカ チカラオオトシ
民は豊かになるのだ。収穫したものをオオトシ神に
23-078 ササグレハ ヤモノニギワヒ
奉げることができれば国中が賑わう。
23-079 タカラデル カレニタカラゾ
稲穂は田から出たものであるから宝というのだ。
23-080 サカホコモ ウチヲサムユエ
逆矛も罪人を討って国を治めるので
23-081 タカラナリ イサナミイワク
宝なのである。かつてイサナミ尊は言われた。
アヤマタバ ヒヒニチカウベ
『政を正しく行わないと、日々に千人も
【アヤマタバ ヒヒニチカフベ コロスヘシ】 5綾本文070の「カクナサザラバ チカフベオ ヒビニクビラン」を引用しているが、ニュアンスが違う。アマテルは自分の教えの文脈の中でわかりやすく言い換えたのであろう。
23-083 コロスヘシ イサナギイワク
殺すことになるでしょう』すると、イサナギ尊も言われた。
23-084 ウルハシヤ チヰモノカフベ
『麗しい人よ。吾は千五百人の民を
23-085 ウマントテ ウミテヲシヱル
増やしましょう』と言って、民を増やし
23-086 トノミチオ ウケテヲサムル
トの道を教えた。トの教えを受けさせて治めた
チヰモムラ トノミチトホリ
数多くの村はトの教えが行き渡り
【チヰモムラ】 1500の村。千五百(チヰモ)は多いことを表わす言葉として「数多く」とした。
オオトシノ ミヅホヱルナリ
豊作で稲がたくさん収穫できたのである。
【オオトシノ】 ヤマサカミの1人。豊穣の神。
23-089 ヒガシラハ ヒタカミヨリゾ
東の方ではヒタカミから
23-090 ヲサマリシ ソノヤスクニノ
治まって、その穏やかに治まった国の
23-091 チヰモムラ ミナカフヘアリ
たくさんの村にはそれぞれ長がいた。
イマコレオ アワセテミチノ
今、これを合わせると非常に多くの
【アワセテミチノ】 アシハラにも「チイモアキ」があり、数多くの村となった。ヒタカミとアシハラを合わせて3000。それで「非常に多く」とした。
カミヲサム アメツチサリテ
長が治めていたが、だんだん君と民の間が
【アメツチサリテ トオケレバ】 「アメ」は君(二尊)。「ツチ」は民。社会の仕組みが整ってくると、反面、君の思うことと民の意識の間に距離できてしまった。
23-094 トオケレバ ワタクシタツル
遠くなって、自分勝手なことをする者が出てきた。
コノユエニ モノノベヨモニ
このため、物部を各地に
【モノノベヨモニ ツカワシテ アメマスヒトト ソヱフタリ】 物部は警察のような働きをし、アメマスヒト(地方長官のような役職)とソエ(副長官)二人で各地を治めた。
23-096 ツカワシテ アメマスヒトト
遣わして、アメマスヒトと
23-097 ソヱフタリ サガオカゾエル
添え人二人を置いた。罪の程度を判断する