【ハルベラヤ】
表面的には「目無しの堅い網を張る」という釣り針を探す手立てを言っているが、裏で「ハル」に「墾る(開墾する)」の意を持たせ、「(結婚させて)新しい土地を拓かせるのがよいでしょう」というメッセージを伝えていると解釈した。
【ミチヒノタマハ】
記紀には「しおみちのたま(記)しおみつたま(紀)、しおひのたま」とあり、山幸彦が投げた玉の霊力で潮が満ちたり引いたりするように書かれている。本稿は歴史という視点でホツマツタヱを訳しているので、このような「超常現象」としての訳は避けたいところだが、本文166から172の文は現実にあり得ることへの意訳も難しいほどはっきりと書かれているので、ここは私の創作に等しい訳になってしまった。解釈ノート085に書いたようにスセリとウツキネの皇子同士の争いをストレートにも書けず、また、記紀と違って「ミチヒノタマ」を投げたのは家臣で、皇子が家臣に取り押さえられたとも書けずに「人類の記憶」の中の「神話」に置き換えたのではないかと考えた。シホツツノヲヂの歌の「ミチヒノタマ」は、「導きの許しを賜う」と解釈して、家臣が皇子を導くことの許しを得る」というように考えた。また、歌の表向きの意味は「ミチビキノタマワバ」の短縮として「導き宣わば」すなわち「どうかお導きください」と訳した。これには二つの意味があり、表面的には「釣り針が見つかるようにどうかご指導ください」となり、もう少し深読みすると「メナシカタアミハルベラヤ」に続く言葉で「その上、ニニキネ君の跡を継いで新田を開拓できるように導いてほしい」という意味が込められているのではないかとも考えられる。実際、後にウツキネは筑紫でニニキネの跡を継いで新田を開拓している。