先頭の番号が青い行は、クリックすると解釈ノートが見られます。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
27-000 27ミヲヤカミフナタマノアヤ
ミヲヤカミ、船魂の綾
コノトキニ ミツホノミヤハ
この時、ミツホの宮は
【コノトキ】 26綾の話の続き。
27-002 トヨタマノ フタタビノボル
トヨタマ姫が再び宮に上られる
27-003 ヨロコビゾ アマノコヤネト
喜びに満ち溢れていた。ホオデミはアマノコヤネと
27-004 モノヌシト マテニハヘリテ
大物主を左右の臣として、
27-005 ミチモノベ ヤモヨロクサモ
多くの物部も国中の民も
27-006 ヲサメシム サキニツミハト
治められた。これより前にツミハと
タケフツト イフキノミヤニ
タケフツとをイフキの宮で
【イフキノミヤ】 四国にあるツキヨミの子のイフキドヌシの宮。
27-008 フソヨガタ シテヲサメシム
二十四県を治めさせた。
27-009 ホツマヂハ カシマオシクモ
ホツマ方面はカシマオシクモと
27-010 ヒタカヒコ ミシマミゾクイ
ヒタカヒコを、ハラミヤマは
ハラミヤニ モモヱアカタノ
ミシマミゾクイを遣わして、多くの県の
【モモヱ】 「百重」と読み、「多くの」と解釈した。
27-012 モノノベト ユタカニヲサム
物部と一緒に治めさせ、国は豊かになった。
ツクシヨリ シカドコフユエ
筑紫から勅使の派遣を請われたので
【シカドコフ】 「ヲシカド」「ヲシカ」も宮より人を遣わす時に使われる言葉だが、語源がよくわからない。ここでも「勅使」と訳すが、「ハデスミと共に筑紫を治める重臣の派遣」を意味している。
27-014 カンダチオ モノヌシトシテ
カンタチを物主として
ハデヅミト トモニミソフオ
ハデツミと一緒に筑紫の三十二県を
【ハデヅミ】 ホツマツタヱは表記が定まっていないときがあり、ここでの「ハデヅミ」は25綾では「ハデスミ」、その息子の「カモタケツミ」は同じく「タケズミヒコ」となっている。
27-016 ヲサメシム カレニツミハオ
治めさせた。そのためにツミハを
27-017 コトシロト アスカノミヤニ
事代主として、アスカの宮に
ハヘラシム フヅキユミハリ
侍らせた。七月弓張月の頃
【ユミハリ】 弦月。新月より7~8日目の頃。
27-019 イセムスビ カモタケツミニ
ホオデミは縁結びをしようと思い、カモタケツミに
27-020 ミコトノリ キサキオツマニ
告げた。「吾が妃の一人を汝の妻に
27-021 タマフヘシ コフニマカセン
授けよう。汝の望みに任せよう」
27-022 タケツミハ コフハオソルル
タケツミは「望みを申し上げるとは畏れ多いことです。
27-023 アメノママ ミホツメモフス
君のお気持ちにお任せします」と言うと、ミホツ姫が言った。
27-024 ソフツホネ アレトワカマゴ
「十二人の局がおりますが、中に私の孫の、
27-025 スケモトメ ウチメイソヨリ
スケ妃のモト姫とウチメのイソヨリ姫と
27-026 シイオリノ ナカニイソヨリ
シイオリ姫がいます。その中でもイソヨリ姫は
27-027 シルヒトゾ チチニタツネバ
そなたがよく知っている人ですね」タケツミがイソヨリの父親に許しを願うと
27-028 ウナヅキテ コレタケヅミニ
父親のコモリが承知したので、ホオデミはイソヨリ姫を
27-029 タマワレバ カアヒノタチゾ
タケツミに授け、二人は川合の館で暮らした。
27-030 ウカワミヤ メドルスセリメ
ウカワ宮のスセリと結婚したスセリ姫が
27-031 ミコオウム イミナウツヒコ
御子を産んだ。御子の諱はウツヒコ。
27-032 コレノサキ アネタマネヒメ
これより先に、スセリ姫の姉のタマネ姫が
27-033 ハラヲキミ キサキニナシテ
ハラ御君(ホノアカリ・ムメヒト)の妃になり、
27-034 ミゾクイガ イクタマハスケ
ミゾクイの娘のイクタマ姫はスケ妃に、
27-035 イクヨリハ ウチメトナレド
妹のイクヨリ姫はウチメとなった。
27-036 タマネヒメ クニテルミヤト
妃のタマネ姫がクニテルと
27-037 タケテルト ウメバナツメガ
タケテルを産み、ナツメ(養育役)が
ウフギナス サイワヒビシハ
産着を作った。産着の模様のサイワヒビシは
【サイワヒビシ】 花菱を四つあるいは多数組み合わせて全体で大きな菱形になるようにした模様。一般には「公家は先間菱(センケンビシ・サキアイビシ)と呼んだが、近世武家は「サキアイ」に「幸」を当てて「幸菱」とした」とあるが、この言葉はホツマツタヱの書かれた時代にはすでにあったのである。
ムカシコノ ウツムロカコム
昔三つ子が生まれた無戸室を囲んでいた
【ムカシコノ ウツムロカコム】 「コノ」はすぐ後ろの言葉「ウツムロ」を指す。この無戸室から、ホノアカリムメヒト、ホノススミサクラギ、ヒコホオデミウツギネの三人が這い出し助けられた。
27-040 タケコゲテ スツレハオエル
竹が焦げて、捨てたらその後から生えてきた
27-041 マタラダケ アヤニウツシテ
斑竹を模様にしたもので、
ミハノナモ サイアイベシト
その衣裳の名もサイアイべシと名付けた。
【サイアイベシ】 すぐ前の「サイワイビシ」を衣裳にしたときの呼び名か。斑竹は斑紋があるが、それが菱形となっているわけではない。模様の実際はわからないが、斑竹を垣根に組んだ時のような、菱形に組み合わせた模様なのだろうか。
27-043 イセノミハ ウフキニモチユ
結婚する時の新婦の衣裳と産着に用いる
27-044 モトオリゾ ホソノヲキレル
元になった。へその緒を切った
27-045 タケモコレ トキニアスカノ
竹もこの竹である。この頃、アスカホノアカリテルヒコが
27-046 ミヤマカル ハハチチヒメハ
崩御した。その母のチチ姫は
27-047 ノチノヨオ イセニハヘレハ
夫のオシホミミが亡くなった後、伊勢の
27-048 ヲヲンカミ ヰオオナシクス
アマテルカミに仕えて、同じ宮に住んでいた。
27-049 ツケキキテ ハハノナゲキハ
アスカホノアカリの死の知らせを聞いて、母チチ姫は
27-050 ツギモナヤ カミノヲシヱハ
後継ぎもいないと嘆いた。アマテルカミは