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道をよけて通した。そこで、香久山の
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土を取って帰ったので、君も
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喜びイヅベを作らせた。
【イヅベ】
神聖な土器。主として神酒を盛り、祭祀に用いる(広辞苑)
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ニブ川のウダに遷した
【ニブカワノ ウタニウツセル アサヒハラ アマテルトヨケ】
「ニブカワ」は、丹生川上神社がある吉野川の上流高見川。解釈ノート120の「ウダ」とはかなり離れているが、かつては「ウダ」の一部であったのだろう。そこに祭祀用にアマテルカミとトヨケを一時的に祭った。
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朝日原のアマテルカミとトヨケカミの
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二神はミチオミに祭らせた。また
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カンミムスビの孫のアメマヒトツの曾孫の
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アタネに別雷山の
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ミヲヤ神（ニニキネの御魂）を三日間祭らせた後
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敵を討つことにした。クニミガ丘に
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兵を結集した時、皇が歌を詠まれた。
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「神風の吹く伊勢の海に（アマテルカミの居られた伊勢に）
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昔、這いずる定めを選んだ（その昔サスラになった）
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シタダミがいた。（ソサノオがいた）我が兵士たちよ
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シタダミは、這うことを望んでいる。（ニギハヤヒもサスラになりたがっている）
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勝つまでは戦いはやめない」
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この歌を兵達が歌うと、
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敵の者がニギハヤヒに伝えた。しばしの間考えて
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ニギハヤヒは「サスラになる道を選ぶべきではない」と
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きっぱりと言った。そして一言「過てば罰は
【ガモ アメカラト】
「ガ」は罰。「アメ」は、タケヒトの軍に歌われたアマテルカミ。
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天からも降るのだ」と言って軍を引いたので
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味方は喜んだ。十一月弓張りの日
【ユミハリ】
弓張り月の日は、陰暦７日ごろ。
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急使者を遣わしてシギヒコを召したが
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兄シギは来なかった。また遣いに出した
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八咫の烏が言った。「アマカミの皇子が
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汝をお呼びだ。さあさあ」。
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兄シギが聞き「今はいやな君とは
【イトウナスカミ ヲヱヌトキ】
この場合の「イトウ」は厭う。「カミ」は皇のタケヒト。「
」は「緒」を表す文字。「ヲエヌ」は「ヲ」を得ない、すなわち関わり、つながりを持たない。
」は「緒」を表す文字。「ヲエヌ」は「ヲ」を得ない、すなわち関わり、つながりを持たない。
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関わりを持ちたくないのだ。敵の烏め」と言って
【アタガラス】
「アタ」は「仇」と読み「敵」とした。「カラス」は用件を伝えに来た相手側の役人だが、ののしる言葉として「烏」とした。この時代は、使者を「キギス」と呼んだり、また身上がはっきりしない者を「キツネ」「サル」など、動物の名前で区別したりしていたのではないか。
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弓を射ようとしたので、弟シギの館に行き
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「君がお呼びです。急いで、急いで」と
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八咫の烏が言った。弟シギが怯え
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顔色を変えて、「タケヒト君に嫌われるのを
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我は恐れています。汝の言うとおりにします」と
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羽盛饗のシギのようになされるままに君の所に行った。
【ハモリアヱ】
「ハモリ」は広辞苑に「ウズラ、シギなどの焼き物で、翼・頭・両足を飛ぶ時のさまにして盛った料理」とある。「アヱ」は「饗」で羽盛の馳走。弟シギは羽盛のシギのような心境だったのだろう。
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「我が兄は刃向かうと申しています」と弟シギが言った。
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そこで君が臣に意見を聞くと、臣達は
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「説いて諭して教えても来ないようなら
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その後で討つのもよいでしょう」と言った。タカクラシタと
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弟シギを兄シギの所に行かせて説いて諭して教えても
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返事は変わらなかった。ミチオミが討つために
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忍坂へ行き、ウツヒコが
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女坂に行った。兄シギが逃げる
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黒坂で挟み打ちをし、
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兄シギの兵達をことごとく斬ったが
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ナガスネの軍が強くて
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手が出なかった。すると突然
【トキニタチマチ ヒサメフル】
この後の場面が「氷雨降る」中で繰り広げられたとは思えない。かなりの意訳になるが、急に厳粛な引き締まった場面に転換したことを表わす表現とした。
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空気が張りつくような雰囲気が漂い、堂々たる態度の人物が
【コカネウノトリ】
神話の絵で知られる「弓に金色の鷹が止まって輝いている図」が頭に浮かぶが、前後の話のリアルさからすると前項と同様比喩表現と考える。この後に皇孫の証拠の羽々矢を見せ合う場面があり、ニギハヤヒがその場にいないのは不自然。すると、ニギハヤヒがいつともなく居ることになるが、「金色の大きな鳥」として現れたのはニギハヤヒだったと考えれば不自然ではなくなる。そこで「コカネウノトリ」は「堂々たる態度の人物」の比喩とした。
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現れ、弓筈を握り立ち止まった。
【ユハズニトマル】
「ユハズ」(弓筈)は弓の両端の弓弦をかけるところ。この場合は上端。弓の上端を持って戦う意思のないことを示しながら堂々と現れたのだと解釈した。
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その態度は威厳に満ちていた。
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ナガスネヒコは戦いをやめ