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【ヤクモウチ】
本文105以降に書かれている。ソサノヲがイフキドヌシと共に大蛇を討った所が出雲のヒ川の上流なので「八雲立つ出雲」のヤクモと付け、「ウチ」は「討ち」と、弾くことを意味する「打ち」を掛けていると考える。
【アラカネ】
掘り出したままの、精錬しない金属。ソサノヲの状態を形容しているので「粗野で荒々しい」とした。
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サスラになったソサノヲは、世を憚る
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蓑笠を脱ぐこともできず、ましてや休む
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宿もなく、あちこちをさ迷い
【スリヤワコトニ】
難解。ここでは「スリ」を擦りと読み、「足を引きずり」とし、「ヤワ」を「飢(ヤワ)し(ひもじい)」の「ヤワ」と解すと、ソサノヲが疲れて飢えている様子と読み取れる。
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各地をたどって来て、ついにネの国を経て
【ソシモリ】
「明解古語辞典」(三省堂)によると、「ソシモリは古代朝鮮の地名。舞楽の曲の名。蓑笠を着て舞うもの。」とある。この時代に渡来し、弓作りをしていた半島の人が「ソシモリ」と呼ばれていたのではないか。「蓑笠」はこの場面そのものである。
【ツルメソ】
弦を作る人。
【シムノムシ】
7綾解釈ノート164参照。ここでは、そのような宿命を持ったソサノヲのこと。
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アシナツチとソヲから来た妻のテニツキが
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八人の女の子を産んだが、大人になるまで育てることができず
【ヒカワ】
島根県の斐伊川の古称か。
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八重谷には常に群雲が
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立ち昇り、その後ろに生い茂る
【ヤマタノオロチ】
古事記では「八俣大蛇」、日本書紀では「頭尾各八岐有」と、八頭八尾の大蛇とされているが、ここでは悪者が多数いることを表していると解釈した。
【ハハヤカガチ】
「ハハ」は大蛇。「カガチ」は一般的にはホオズキとされているが、広辞苑では「ヤマカガチ」をうわばみ・大蛇、としている。吉野裕子「日本の蛇信仰」では「カガチ」は大蛇。私は「ハハ」や「カガチ」は大勢の悪党の中の首領格の者の名前と解釈した。
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人身御供として、七人の娘が囚われの身に
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なってしまい、残った一人の娘の
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イナタ姫のこともさらっていこうとしているからであった。
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両親が姫の手や足をさすって
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悲しんでいるのを見て、ソサノヲが
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訳を聞くと、両親は一部始終を
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話した。「姫を我に下さるまいか」と
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ソサノヲが丁寧に言ったので、「あなたはどなた様でしょうか」と
【ウラトエハ】
「ウラ」は、広辞苑に「心。表に見えないものの意」とある。ここではソサノヲが打ち明けていないこと。名前、素性とした。
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身分を明かし、二人は結婚の約束をした。
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イナタ姫は恐ろしさの余り高熱を出して
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苦しんでいた。そこでソサノヲが姫の袖の脇を裂いて
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風を入れたので、熱も下がり
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気分がよくなった。それが子どもの着物の袖の
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脇を開ける慣わしになった。姫をユゲのソシモリの家に
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隠し入れ、ソサノヲは変装して
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姫の姿になり、真新しい黄楊櫛を
【ツラニサシ】
「ツラ」は「カヅラ」の略で、蔓草・花・羽などを頭に巻きつけ、飾りとしたもの。そこに柘植櫛を刺したのであろう。
【サスキ】 仮に作った棚または床。桟敷。
【サスキ】 仮に作った棚または床。桟敷。
【ヤシホリ】
明解古語辞典に「ヤシホヲリ」として「幾度も繰り返して醸造すること」とある。
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待っていると、八人の
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悪者達がやって来た。八桶の酒を
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飲み、酔って寝てしまった悪者達を
【ハハガヲサキニ】
このまま訳せば、「ハハの尾の先に」となる。記紀では八岐大蛇退治の話の草薙の剣。ここでは首領のハハが佩いていたとした。
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剣があったので、それを取りあげてハハムラクモの剣と
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名付けた。イナタ姫が
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オオヤヒコを生んだので、ソサノヲは
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ワカ姫のいるヤス川に行って、「以前約束したように
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男の子を生みました。我は正しかったのです」と言うと、
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「姉である私の眼には、まだまだ汝の
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心は穢れていると見えます。恥ずかしいと思わないのですか。