【ヲハミツトナリ】 「ヲ」が3つのものになった。この後「メ」が2つになり、この5つが「人」になる元だと当時は考えられていた。この時代の最小単位の概念として「元素」と訳したが、当然現代の水素・酸素などという元素とは違う。
【アメニカエリテ】 このような考え方は13綾に、カスガの話の中で、トヨケが最初クニトコタチとして生まれて、天界に還り、次にタカミムスビとして生まれ、最後にトヨケとして生まれ代わってきたというところにもある。
【ソムヨロヤチノ モノソヒテ】 「モノ」は随神というように解釈されることが多いようだが、他の箇所に裏付けになるような記述が見つからない。すぐ後に「モノトタマシヰ ユイヤワス」とあり、16万8千もの随神がユイヤワスというのも不自然に感じる。ここでは素直に人間を創るパーツと考えてはどうだろうか。
【ソノタエモリガ タネクダシ】 「タエモリ」はアメミヲヤ神の霊妙な力を護る神、すなわちトホカミヱヒタメの神。モトツカミが総指揮をして、タエモリが「タネクダシ」て、「モノトタマシヰ ユイヤワ」して、それ以降は各神の分業。
【イモガチト ハラムシラホネ】 この時代、妊娠から出産までのメカニズムについては、人体の器官も含めて分からないことが多かったので、受胎は妻の血と結びつくことによりできると考えられていたのであろう。「シラホネ」は、胎児の発生は、もとになるもの、核のようなものから始まると考えていたのであろうか。
【ヒルハチノボリ ヨハナミノ ノボル】 この現象が起きていると考えたのは、胎内か体内か。この時代でも胎児になるものが体中をまわるとは考えないだろうから、おそらく子宮(コミヤ)の中でのことと考えたのだと思う。それにしても、この回転の概念は何から生まれたのだろうか。