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【イメ】
「メ」は「女」。「イ」がよく分からないが、「イメ」は自分を指す言葉であろう。
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申し上げたので、ニニキネは伊勢のアマテルカミに報告しようと
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旅の支度をした。その時、アシツ姫の母が
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アシツ姫の姉を連れて仮宮に来て
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お会いしたいと願い出た。ニニキネが会うと、母親が言った。
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「妹だけでなく、私には大変可愛いがっている
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姉もおります」と言葉巧みに言われると
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ニニキネも心を動かし、姉のイワナガ姫を
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お召しになったが、体が痩せぎすで
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容貌もよくなかった。それで非常に驚き、
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気持ちを変えて、「やはりアシツ姫がよい」と
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言ったので、父のオオヤマスミは驚いて
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妻を叱った。「こんなことになろうかと思い、
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イワナガ姫を宴の席に出さなかったのに。さっさと帰りなさい」と
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追い返したので、母と姉は恨んで
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召使に、妹をおとしめようと
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アシツ姫が浮気をして出来た子だとの嘘の話を流させた。とうとう噂は
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白子宮にいるニニキネの耳にまで届いてしまった。
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ニニキネはアシツ姫を疑って、旅先の白子宮を夜のうちに
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出発して伊勢に帰ってしまった。
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アシツ姫は独り目覚めて、後を追ったが
【マツサカニ セキトメラレテ】
アシツ姫はニニキネを追って鈴鹿市の白子から松阪まで行ったが、伊勢のすぐ手前で何によって行方を遮られたのかが分からない。大化の改新で「関塞(セキソコ)」が置かれたというが、ホツマの頃すでに、制度化されていなかったとしても、関所のようなところがあったのかもしれない。
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白子宮に帰って、次のように誓った。
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「妬まれて受けた私の恥をそそいでください。
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この桜は、昔曾祖父の
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サクラウシが奉げたものです。
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ヲヲンカミが宮の大内に植えて、
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イセの道がうまくいっているかいないかを
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判断されました。桜よ、心あらば、
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私のお腹の子が他人の子であれば
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花はしぼんでおくれ。君の皇子ならば
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産む時に咲いておくれ」と願って、
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白子宮に植え、里の酒折の宮に帰った。
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十二か月の月満ちて、六月一日に
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姫は三つ子を産んだ。その時の胞衣の模様が
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梅と桜と卯の花のように次々に見えた。
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不思議に思ってニニキネに知らせたが、
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返事もなかったので、アシツ姫は富士の裾野に
【ウツムロ】
広辞苑に「【無戸室】四面を塗りふさいだ、出入り口のない室」とある。日本書紀の表記。古事記では「戸無き八尋殿」。
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垣根をめぐらした。母と子は次のように誓って
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中に入った。「この子たちが君の子でないならば
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死にましょう」そして火をつけて室を燃やすと
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子どもたちは熱がって、這い出ようとした。
【ミネノタツ】
神話であれば「龍」でよいが、歴史として解釈すると、それは人である。
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一人ずつ連れ出すと
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皇子は這い出してきた。みなは驚いて
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火を消し、アシツ姫を連れ出し
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輿で酒折の宮に送り届けて
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伊勢のニニキネに知らせた。白子宮の桜は
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皇子の生まれた日から咲き続けた。
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ニニキネは鴨船を急いで
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走らせて興津に着いて、
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使者を遣わし、酒折の宮のアシツ姫に知らせた。
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アシツ姫はニニキネを恨んで、夜具を被ったまま
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返事もしなかった。使者が帰って報告すると、
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ニニキネはしばらく考えてワカ歌を