【カカンノンデン トキマチテ】
「カカンノンデン」の「トキ」とは、アマテルカミのような能力を持った君が生まれる時。「カカンノンデン」に関係する言葉は、奉呈文の本文089、5綾本文105、8綾本文238、12綾本文029、14綾本文016に出てきたが、「カカン」と「ノン」と「テン」が分かれている。(奉呈文と12綾は「ノンテン」)それぞれの訳で、概ね「カカン」は篝火、「ノン」は祝詞、「テン(デン)」は太鼓と、具体的な事象として訳した。(奉呈文はそれから連想される言葉に意訳してある)。14綾では、「カカン」はアメミヲヤ、「ノン」はヤイロニギテノカミ、すなわちトホカミヱヒタメの8神、「テン」はヨソコノハナ、すなわち49神(アメミヲヤとモトアケの48神)も意味している。この綾と36綾本文106では「カカンノンデン」と一つの言葉になっている。これまでの具体的な事象が14綾で神をも表したのを受け、ここでは「天上の神」という抽象的なものに変わっている。この場合は特に、アマテルカミを指しているのではないか。
アマテルカミはマドカノタマコに入って生まれてきた。これは胞衣をかぶって生まれてきたということで、それは特別な能力を持って生まれたこととされていたようである。「胞衣かぶり」すなわち胞衣を頭につけて生まれた子はシャーマンか英雄になる。シーザーもその一人で、わが国でも「袈裟太郎」とか「袈裟男」とか言われて「胞衣かぶり」は神の申し子だと言われているという説もある。アマテルカミもその一人で,大変な能力と長寿で、その再来は人々の願いであったのではないか。