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39-171 オオミヲヤ タカミムスビノ
大御祖のタカミムスビ神が
39-172 コノクニオ ヒラキテナナヨ
この国を開かれて、七代のタカミムスビ神が
39-173 コレオツグ ヒノカミココニ
これを継いできたのだ。日の神(アマテル神)もここで
ミチマナブ カレヒタカミゾ
道を学ばれたので、ここを『ヒタカミ』というのだ。
【カレヒタカミゾ】 「ヒタカミ」という地名は「ヒノカミ(アマテル神)」の「ヒ」とタカミムスビの「タカミ」が結びついてできたと言いたいのだろう。
39-175 アメノミコ チチヒメトウム
天の皇子(オシホミミ)がタクハタチチ姫との間に
39-176 ミコフタリ ヱハアスカミヤ
皇子を二人儲けられ、兄はアスカ御君に、
39-177 トハハラミ ソノトキクニオ
弟はハラ御君となられた。その時にこの国日高見を
39-178 タマワリテ ソヨノハツコノ
賜って、十四代末の
39-179 ワレマデハ ヨソノタウケス
我までは、他所の国の支配は受けないできた。
39-180 ソレノキミ アスカオウチテ
そちらの君は飛鳥を討ち滅ぼして
39-181 クニオトル カミニタガエリ
国を奪った。それは神の教えとは違う。
39-182 カレナレズ イママタキタリ
だから汝の国とは相容れることができないのだ。それが今また来て
39-183 トラントス コレモカミカヤ
我が国を取ろうとしている。これでも神と言えるのか。
39-184 スベギミヨ タケヒホホヱミ
単なる統治者というだけではないか」と言うと、タケヒは微笑んで
39-185 コレナンヂ ヰナカニスンデ
「これ、汝は『井の中に住んで
39-186 サワオミズ コトヨキニニテ
沢を見ず』だ。言うことは尤もなようだが
39-187 アタラズゾ シカトキクベシ
正しくはない。よく聞くがいい。
39-188 コレトカン ムカシアスカノ
説明をしよう。昔、飛鳥の
39-189 ナガスネガ フミヌスメドモ
ナガスネヒコが世継ぎ文を盗んだが
39-190 アスカギミ タダサヌユエニ
飛鳥君はそれを糺さなかったので
 ノリクダセホツマヂ   
「乗り下せホツマ路
【ノリクダセホツマヂ…】 訳は29綾本文038に「則を下しに来てください、ホツマの道の。則を広めに、天君も磐船に乗って。」と書いた。
39-192  ヒロムアマモイワフネ  
広む天も磐船」
39-193 ヨニウタフ シホツヲキナガ
という歌が流行った。そこでシホツツの翁が
39-194 コレユキテ ムケザランヤト
『これは、ヤマトへ行って平定しなくてはならないでしょう』と
39-195 ススムユエ ヤマトタダセバ
進言したので、ヤマトを糺そうとした。
39-196 ヲヲンカミ カシマノカミニ
アマテル神がカシマカミに
39-197 ミコトノリ ユキテウツベシ
詔して『汝が行って討つべし』と言うと
39-198 ソノコタエ ワレユカズトモ
カシマカミが答えて『我が行かなくても
39-199 クニムケノ ツルギクダシテ
クニムケの剣を下界に下してタカクラシタに命じ、
39-200 タカクラニ コレササゲシム
タケヒトにこの剣を奉げさせましょう』と言った。
39-201 タケヒトハ キミタルイトノ
タケヒト君は君としての血筋が
39-202 アルユエニ アメヨリツツク
あるので、アマテル神から続く
39-203 カミノミコ ヨヨニアマテル
神の御子として世の中に君臨しているのだ。
39-204 ナンヂヨヨ キミナクコヨミ
汝は代々君を戴かないで、暦は
39-205 イヅレゾヤ コタエテイセト
何を使っているのだ」と言うと、日高見は「伊勢の暦だ」と答えた。
39-206 マタイワク アマテラスカミ
またタケヒが言った。「アマテル神が
39-207 コヨミナシ ソロウエサセテ
暦を作られて、稲を植えさせ
39-208 カテフヤシ ミオタモタシム
食糧を増やして豊かに暮らせるようにされたのだ。
39-209 モモナソコ ヨロミチツヅク
百七十九万三千年続けて
39-210 コノヨミテ イマヒノワチニ
この世を見守り続け、今は日の輪の中に
39-211 オワシマス ミマコノヨヨノ
おわすのだ。その子孫が代々
39-212 タミヲサム ヒニナヅラエテ
民を治めておられるので、日の輪の神になぞらえて
39-213 アマキミゾ ナンヂハヨヨニ
天君と呼んでいるのだ。汝は代々
39-214 ミノリウケ イノチツナキテ
アマテル神の稔りを受けて命を繋いできているのに、
39-215 イマダソノ キミニカエコト
未だにその君に従うという返事を
39-216 モフサヌハ ソノツミツモリ
申し上げないのは、その罪が積もって
39-217 イクラゾヤ ヌケミチアリヤ
どれだけになると思うのだ。申し開きはできるのか。
39-218 ワガキミハ カミナラズヤト
それでも我が君をカミではないと言うのか」と言うと、
39-219 コノトキニ ミチノクオヨビ
それを聞いて、ミチノクと
39-220 ミナフシテ マツロイクレバ
その他の者もひれ伏して、服従して来たので
39-221 ヤマトダケ ミチノクユルシ
ヤマトタケはミチノクを許し、
39-222 ナコソヨリ キタハミチノク
勿来から北はミチノクを
39-223 クニノカミ モガタノハツホ
国の守とし、田百枚分の稲を
39-224 ササゲシム ツガルエミシハ
献上させた。津軽の蝦夷は
39-225 ミチヒコニ ナソガタハツホ
ミチヒコに治めさせ、田七十枚分の稲を
39-226 ササゲシム ミナミハヒタチ
献上させた。それより南の常陸と
39-227 カヅサアワ ミカサカシマニ
上総、安房はミカサカシマに
39-228 タマワリテ カシマヒデヒコ
授けた。カシマヒデヒコと