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16-345 モノノヘガ メデテツクレル
タケミカツチの配下の物部達が祝って
16-346 カシマミヤ コヤネトヒメト
カシマ宮を建てた。アマノコヤネと姫は
16-347 イキスミヤ ヒメハモロメノ
イキス宮に住んだ。姫は女の人が
16-348 ハラムトキ イキスツツシミ
身籠った時、イキスと慎みについて
16-349 ヲシヱマス ヤメルハクスリ
教えた。病んだ人には薬を
16-350 コレオウク カトリトカシマ
授けた。カトリとカシマが
16-351 イスキミヤ タマフヒタチノ
イキスミヤに賜ったヒタチの
オビノナモ ヰハタオビトゾ
帯の名はイワタ帯と呼ばれた。
【ヰハタオビ】 今日でも戌の日に妊婦が晒の岩田帯を巻く風習は残っている。
16-353 タケヤタハ ヤソヨロヲノコ
帯の丈を八咫とするのは大勢の男子の
16-354 ナレタケゾ ハラミノウチノ
平均的な背丈だからである。「身籠っている時に
16-355 アソビニハ マメオヒロエヨ
遊びとして豆を拾いなさい。
マメナルゾ モシモソフコオ
そうすれば丈夫な子どもが生まれる。もしも、十二人の子を
【マメナルゾ】 「マメ」は身体の丈夫なこと。達者。息災。
ウムハハハ ツキノクライゾ
産んだ母親には『月の位』を授ける。
【ツキノクライゾ】 「モシモソフコオ」からの文は、どう読んでも「12人の子どもを産んだ母親は『月の位』だ」としか読めない。しかし、13綾本文033で「ヨメハツキ」(よい妻は月です)とすでに書いてある。どういうことか。13綾本文164に「コオモテヨ モシツマウマズ タネタヱハ メカケメヲキテ タネナセヨ」(妻に子どもができない時は妾に子どもを産ませなさい)。「メカケメハ ホシニナゾラウ」(妾は星にたとえられます)と書かれていることから、正式な妻でなくても12人もの子どもを産めば「星」から「月」に格上げされたのではないか。現代では容認できない考え方だが、子孫を残すことが重大な時代の考え方と思っていただきたい。
16-358 ヒトハラニ ミツコオウメハ
一回に三人の子を産めば
ミヒカリノ サイワヒアルト
三光の幸せがあったと
【ミヒカリ】 日・月・星の光。最大級の幸せを表している。
16-360 アメニツグ アマネクフレテ
君に知らせる」と、みなに触れたので
16-361 ホツマクニ ヲサマルノチニ
ホツマの国は栄えた。その後、
フツヌシノ カトリノミチオ
フツヌシはカトリの道を
【カトリノミチ】 香久山(富士山)を治める任務に関することのようだが、具体的にはわからない。
16-363 コトゴトク コヤネニサツケ
全てアマノコヤネに授けて
カクレマス カシマノミチノ
亡くなった。タケミカツチもカシマの道の
【カシマノミチ】 タケミカツチは武道に長けていたので、武道に関することかもしれないが、これも具体的にはわからない。
16-365 オクモミナ コヤネニサツク
奥義をすべてアマノコヤネに授けた。
16-366 カスガトノ タマカエシナス
父のカスガトノ(ココトムスビ)も魂返しの
16-367 オクノリモ コヤネニサツク
奥義をアマノコヤネに授けた。
16-368 コノユエニ ヨモノマツリモ
このような訳で、諸々の祭りも
16-369 オノヅカラ ヒトリニツケリ
自ずとアマノコヤネ一人が執り行うことになった。
16-370 カシマカミ ヒメウムトキニ
カシマは、妻が姫を産んだ時に
16-371 ハハガナオ コエドナヅケズ
名前を付けてと頼んだが名前を付けなかった。
16-372 マレヒトリ ヒメハヒメナリ
「たった一人だから姫は『姫』のままでよい。
16-373 マタウマバ マギレンタメニ
また生まれたら、紛らわしくならないように
16-374 イミナセン マツヒメカミト
諱を付けよう」と、まず姫カミと
16-375 バカリイフ ユエニコヤネモ
ばかり言った。それ故、アマノコヤネも
16-376 ヨヨノリト ハツハヒメキミ
代々の言い伝えとして、初めての姫は「姫君」と呼び
16-377 ツキノナモ タエノオクノリ
次の姫には言い伝え通り諱を付けた。素晴らしい奥義である
16-378 ツツシミノ ヒタチオビコソ
慎みの教えとヒタチ帯の教えの
16-379 イトモカシコシ      
なんとありがたいことであろう。