| 39-000 |
39
|
ホツマ討伐とツヅ歌の綾
先頭の番号が青い行は、クリックすると解釈ノートが見られます。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
対訳ページの使い方の詳細はこちらのページをご覧ください。
| 39-001 |
|
纏向の日代の四十年
| 39-002 |
|
六月、ホツマの地に騒動が起きたので
| 39-003 |
|
酒折の宮のタケヒが宮に上って
| 39-004 |
|
平定を君に願い出た。君は諸臣を集めて
| 39-005 |
|
「ホツマの蝦夷が
| 39-006 |
|
我等を欺いているが誰を行かせて
【カスメル】
「掠める」には、隙を狙ってちょっとした悪事をすることのイメージが強いが、ここでは「だます、欺く」と解し、納めるべき貢を納めないことを言っているのであろう。
| 39-007 |
|
鎮めたらよいだろうか」と言われたが、誰も何も言わなかった。
| 39-008 |
|
ヤマトタケが「先に、我らは
| 39-009 |
|
西の国を討伐してきました。東の国の討伐は
| 39-010 |
|
モチヒトがよいと思います」と言うと、オホウスは
| 39-011 |
|
震えあがって、外へ逃げ出し隠れてしまった。
| 39-012 |
|
オホウスを連れ戻させて、君はオホウスを責め、
| 39-013 |
|
「汝は何故自ら討伐しようと思わないのだ」と言われた。
| 39-014 |
|
オホウスが「恐れるあまりです」と答えたので、オホウスには美濃を
| 39-015 |
|
守らせた。するとヤマトタケは
| 39-016 |
|
凛とした声で「我は西の国を平定したばかりですが、
| 39-017 |
|
また東の国へ近々参りましょう。
| 39-018 |
|
例え我は苦労したとしても、
| 39-019 |
|
必ずや平定してまいりましょう」と言った。そこで君は
| 39-020 |
|
矛を持たれて「吾が聞くところによれば、蝦夷は
| 39-021 |
|
我が政を軽んじ、村長もおかず
【ムネシノギ】
「ムネ」は「宗、旨」と読み、「主とすること、本義」というような意味から、守らなければならない決まりや掟、すなわち「ヤマトの政」と解釈した。「シノギ」は「凌ぎ」と読み、「…にまさる、押さえつける、侮る、軽んじる」という意味から「軽んじる」とした。
【アレオサモナク】 「アレオサ」はヤマトの支配下の村長。日高見、津軽地方の「蝦夷」はヤマトからは独立したクニであった。37綾本文207のタジマモリの言葉や38綾本文342のタケウチの君への報告ではこのような荒れた様子は書かれていない。13年の歳月が流れているように書かれているが、ヤマトタケの熊襲征伐より間もなくのことなのでおそらくそんなに経っていないであろう。この後本文162から220に書かれているミチノクとタケヒの話し合いを読むと、ここでオシロワケが言っているほど蝦夷が乱れていたとは思えない。
【アレオサモナク】 「アレオサ」はヤマトの支配下の村長。日高見、津軽地方の「蝦夷」はヤマトからは独立したクニであった。37綾本文207のタジマモリの言葉や38綾本文342のタケウチの君への報告ではこのような荒れた様子は書かれていない。13年の歳月が流れているように書かれているが、ヤマトタケの熊襲征伐より間もなくのことなのでおそらくそんなに経っていないであろう。この後本文162から220に書かれているミチノクとタケヒの話し合いを読むと、ここでオシロワケが言っているほど蝦夷が乱れていたとは思えない。
| 39-022 |
|
蝦夷のムラキミたちは互いに物を奪い合っている。
| 39-023 |
|
山を荒らす者や悪賢い者や
| 39-024 |
|
辻で悪さをする者がいる。蝦夷の中には
| 39-025 |
|
男も女も交り合い、家族としての道理にも欠け、
| 39-026 |
|
穴に住み、獣の肉を食らい
| 39-027 |
|
毛の衣服を着ている。吾らの恩恵も忘れて
| 39-028 |
|
敵対し、弓も達者で
| 39-029 |
|
行動するときは仲間を集めて
【タチマイ】
1綾本文006には「タチマヒ」とあるが同一の語であろう。ここでも「立ち交わること」は、「一族の一員として交わっていくこと」であるが、状況を考え「仲間と一緒に行動すること」と解釈した。
| 39-030 |
|
身を隠している。野山を素早く走る
| 39-031 |
|
技を身に付け、世の中の正しい道理に
| 39-032 |
|
従わない。今、吾は思うのだ。
| 39-033 |
|
汝こそ姿は凛凛しく
| 39-034 |
|
百人力を持っているので、行くことに何の心配もない。
| 39-035 |
|
戦えば必ず勝つ。というのも
| 39-036 |
|
汝は、身体は我が子だが、真の姿は神の子であると吾は思っていたのだ。
| 39-037 |
|
吾が力不足で平和にできなかった世の中を
| 39-038 |
|
継いで、御世が絶えることのないようにできる
| 39-039 |
|
汝こそ天下を治める君の
| 39-040 |
|
御位に就くべき者である。汝は深く思慮し
| 39-041 |
|
厳しく相手を制し、また慈愛の心を持って従わせ
| 39-042 |
|
真の道を広め、ずる賢い者をも
| 39-043 |
|
我らの治める世に従わせよ」と
| 39-044 |
|
矛を授けた。御矛を受け取った
| 39-045 |
|
ヤマトタケは「かつて、君のご加護の
| 39-046 |
|
恵みによって、熊襲を討伐しました。
| 39-047 |
|
この度もまた君のご加護の
| 39-048 |
|
恵みをいただき、敵の前まで
| 39-049 |
|
行って、従わなければ
| 39-050 |
|
討伐しましょう」と君に挨拶して、吉備の
| 39-051 |
|
タケヒコとオオトモタケヒを
| 39-052 |
|
従え、ナナツカハギを
| 39-053 |
|
食事係りとし、十月二日に
| 39-054 |
|
門出した。途中寄り道をして
| 39-055 |
|
七日に伊勢のアマテル神に祈り、
| 39-056 |
|
磯の宮のヤマト姫にも